女王の娘の評価
女王の娘についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
女王の娘の感想
ロマンスもサスペンスも溢れんばかりの壮大な歴史小説
「スワンの怒り」の作者が書く歴史小説アイリス・ジョハンセンと言えば「失われた顔」や「スワンの怒り」といったサスペンスとロマンスが渾然一体となった作品が有名だと思っていたので、過去の実在の人物たちを登場人物としたいわゆる“歴史もの”を書いているというのは知らなかった。そもそもこの「女王の娘」という本を手にとったのも、タイトルの壮大な印象となんとなく漂うロマンティックな雰囲気に惹かれたのであって、読むまでは内容は全く知らなかった。しかし読み始めると貴族の華やかさよりも、宮殿内のくらさや独房の冷たさ、宗教の厳しさといった重さがメインとなっていて、そのままページを繰る手が止められなくなってしまった。こういう歴史ものを読むと、学生の頃にもっと世界史なり日本史なり勉強していればよかったと思ってしまう。そして今回のこの「女王の娘」を読むにあたっても、そのような歴史的背景を知っていればもっと面白く読め...この感想を読む