褐色の童話のあらすじ・作品解説
褐色の童話は、月刊少女漫画雑誌りぼんで連載されていた水樹和佳原作の日本の少女漫画。水樹和佳傑作集の副題が付けられたコミックス全1巻が1970年代に刊行。 SF少女漫画の名手・水樹のデビュー当時の短編集であり、後の不朽の名作・イティハーサの世界観とは異なる、海外の児童文学の様なファンタジックな作品を収載している。若手時代の作品ながらもしっかりと芯があるテーマ設定が行われており、弱者や世間で忌み嫌われる異質な者との調和が各作品において描かれ、表題作・褐色の童話には住む場所のない孤児達、花咲かぬ村の奇跡には魔女が登場している。社会で生き抜く中で不自然に感じながらも、自分の中で受け入れなければならない様々な物事と触れる機会が多い10代後半、20代前半の女性を中心に共感を得ている。1970年代に発表された作品のために、若干の時代感覚のずれはあるものの、心がジーンと震え、熱くなる感動があり、時代を越えて愛され、色褪せる事のない作品。
