ちいさな赤いとうだいの評価
ちいさな赤いとうだいの感想
こんな風に顔に見える建物ってよくありますよね。
ハドソン川沿いに建てられた赤い灯台。よく見ると顔っぽいです。表情豊か。仕事は夜に川を行く船やカヌーに、強い光を点滅させて、そして霧の日なら鐘を高らかに鳴らして岸の存在を教えることです。自分の仕事に誇りと自信を持ち、自分の存在意義についてポジティブになれるって素敵なことです。でも灯台の傍らに、ある日から建てられ始めた大きな、大きな鉄橋。その鉄橋の存在感にそして強い強い光に、赤い灯台は初めて劣等感を抱きます。鉄橋はそんな灯台に、嵐の晩、灯台にしかできない仕事のことを改めて認識させてくれます。こんな風に人それぞれに役割が違うなら、劣等感もごく小さくて済むのかもしれないな、と思わせられました。アンラッキーな出来事はほんの少し巡り合わせが違ってただけかも、とも。ちなみにこの灯台、実在するそうです。