トリツカレ男の評価
トリツカレ男についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
トリツカレ男の感想
あなたが夢中になれることは何ですか?
とにかく何にでも夢中になってしまう主人公「ジュゼッペ」物語の主人公はジュゼッペ。彼こそがまさに「トリツカレ男」なのです。著者であるいしいしんじさんの文体や世界観はとにかく独特で、まるで外国の小説を読んでいるような気分を味わわせてくれます。「トリツカレ男」も漏れなくそう。何にでも夢中になって、そればっかりしてしまうそんなジュゼッペの行動を「とりつかれる」と表現するのはいしいさんならではだと思います。そして、それは物事や事象に対してだけはないのです。この物語の根幹となる「とりつかれ」は女性への恋心になります。「恋は盲目」とは言ったもので、好きになると目の前のこと以外見えなくなってしまう。さらには、相手のためなら何でもしてあげたいし、出来る気がしてしまうものです。「好き」と一言で片付けるのは簡単ですが、あえて「とりつかれている」と表現して独特のリズム感を生み出しています。ただのラブストーリー...この感想を読む