ドグラ・マグラの感想一覧
夢野 久作による小説「ドグラ・マグラ」についての感想が6件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
わからない、けどおもしろい
日本三大奇書のひとつである本作。一度は読んでみたいと思いつつ、手を出しては途中でリタイヤしてしまうことが、数回ありました。分量もそこそこありますが、とにかく読みにくい。理解するまでに時間がかかるといいましょうか、それでいて、読みやすい部分は読みやすいのが不思議な感覚です。暗闇の中を探検しているような気分になりながらも、今度こそはと思い立ち、最後まで読み終えました。わからないところが多く、読むのに時間がかかりますが、独特の雰囲気は、長く浸っていると心地よい、決して嫌なわからなさではないところが、この本の魅力です。また、2度3度と読み返していくうちに、どんどん深くハマっていくような気がします。もう一度読んでみたいです。
素晴らしい推理小説
本書は不思議な世界に入れますが、とても面白いです。探偵小説家夢野久作の代表作としては、その常軌を逸した作風から、一代の奇書として高く評価されているそうです。この本はまさに奇書中の奇書といえると思います。精神病院の一室から物語は始まる。一切の記憶をなくした若い男と微妙な対立を見せる二人の学者をメインに、精神病院の隣室にいる男の婚約者という美少女や精神科の患者、男の母と叔母が出てくる。ドグラ・マグラは堂堂巡りとか幻魔術を現す言葉として本文の中で解説されているが、脳髄の地獄とも形容される。そして話は遺伝子の中に祖先の記憶が宿りそれを胎児は夢に見る、という説からなぜか古代中国に飛んだりもする。
引き込まれていく不思議な世界
難解な作品としても有名な「ドグラ・マグラ」ですが、是非これは、電子本ではなく、普通の本で読んで欲しいです。ちょっとした工夫に、初めて読んだ時はドキッ!としました。主人公に感情移入しながら読み進めていくと、最終的に不思議な感覚におちいってしまうかもしれません。夢野久作の作品は、とてもテンポがよく、口語文なので読みやすいので、あまり本格的な小説を読まないような人でも、スラスラと読み進める事ができると思います。インパクトのある出だしから、次々に起こる展開に、どんどん引き込まれていきました。是非一度は、挑戦していただきたい作品だと思います。
夢野久作最高傑作
この本は私が読んだ本の中で一番面白い本です。といっても元々小説をあまり読まないたちなので狭い範囲での話なのですが。謎解き推理小説のようでいて、そうでなく、論文・妄想・夢・精神障害・ホラー…なんだかよく分からなくて怖いようなでもそれが人間のような、読んでいて不思議な気分になります。ブウウ―ンで始まり、夢のようにブウウ―ンで終わるこの初めと最後もいい雰囲気が出ていると思います。私は上巻より下巻を読むのが辛かったです。(だって上巻はネタバレ…)上巻はちゃかぽことか楽しかったですよ。こういう変で面白い作品、他にないかなぁと思います。でも読んでいて怖くなってくるんですがね。
本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来す…
夢野久作の短編を読んでからその世界観が好みであれば読むべき作品だと思います。夢野作品の中で最高のものだと私は思っています。本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来すと言われるほどの偉大な作品であることは間違いありません。変わった作品というか、ほかにこんな作品はないのではないでしょうか。夢野が10年もの間推敲を重ね完成させた作品なのですから。こちらは前半ですが、最初は世界観に浸るのが難しい。だんだんと読み進めて半分を過ぎたころには、どっぷりはまり、どんどん読み進めていけます。私の中では最高作ですが、本当に人によると思います。本を読むことで何かを得たいという人には向かないかも。
日本三大奇書の1冊
チャカポコチャカポコも必死に耐え、何とか読みきったときは脱力しました。キチガイなどと言うと、色んな規制が掛かりそうですが、この作品に関してはそれ以外になんとも形容しがたいキチガイっぷりです。面白いのか何なのかよく分かりませんが、この小説は夢か現実かよく分からない、自分の脳の中を漂うような感覚を楽しむのがいいのだと思います。夢野久作は出身が福岡県というだけあって、同じく福岡が地元の私には馴染みのある地名が出て来ました。そういうところでは、割と正気に戻れたような気がしなくもないんですが、よく分かりません。読むと気が狂うといわれますが、読んだ後、今でも正常なのかどうかも正直よく分かりません。