死後の恋の評価
死後の恋の感想
意外な結末
夢野久作の小説は、主人公の独白形式が多いけれど、これもそのタイプです。ちょっと頭のおかしいと思われるワーシカ・コルニコフが体験したことを、日本軍の軍人に語るのですが、誰に話しても信じてくれない。軍で親しくなったリヤトニコフという若くて活発な兵士と仲良くなったコルニコフに、あるときリヤトニコフが宝石を見せながら、自分の家族の話をします。俄かには信じがたい話で、親しいとは言えなぜ自分に話すのかと訝しがりながらも、コルニコフはその宝石が欲しくなり、リヤトニコフ戦死しないかななんて思ったりします。そして二人の隊が敵軍を避けて移動するときに銃撃に遭い、そこでコルニコフは大変な事実を知ります。あぁ、そうだったのか!!と声を上げたくなりました。夢野久作お見事です。