月子の不思議のあらすじ・作品解説
月子の不思議、ぶ~けせれくしょん1985年第3号に掲載された水樹和佳原作の少女漫画。愛蔵版コミックス全1巻が1989年12月に刊行されており、本作とケシの咲く惑星の2話が収録されている。 2020年代初頭を舞台に月で生まれた主人公の少女・月子が地球の生活環境に適応できず、悩みながらも適応・和合する方法を試行錯誤するSF少女漫画。月での出産はご法度でありながらも密かに出産するというアンビリバボーな設定が反響を呼び、関心を集めている。無機質の月で生まれた月子にとって、有機的な地球での生活は、アンバランス・不条理を受け入れなければならないという概念が用いられており、後に水樹が執筆するSF超大作のイティハーサの予兆を感じさせている。名言とよばれるにふさわしい数々のフレーズが登場しており、漫画というフィルターを通して投げ掛けられることで多くのファンから支持され、昨今では希なテイストのSF少女漫画と称賛されている。ただひたすらに切ない家族愛を描いた同収録のケシの咲く惑星も本作と並んで高く評価されている。