月と六ペンスの評価
月と六ペンスについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
月と六ペンスの感想
ポール・ゴーギャンがモデル?「月と六ペンス」 画家・ストリックランドの人物像を考える
主観は「私」。奇才の画家 ストリックランドの数奇な半生タイトルは誰しもが聞いた事があるだろうと思われる、イギリス小説の名著です。ストリックランドはイギリスで銀行マンとして働いており、家族と順風満帆で幸せな生活を送っている、と、周囲から思われていましたが、ある日突然、家族を捨てて出奔してしまいます。主人公の「私」は、ストリックランドに逃げられ悲嘆にくれる夫人に同情し、彼の出奔先であるフランスに赴きます。「私」や夫人だけでなく、誰しもが、ストリックランドは若い女と駆け落ちしたに違いない、と思っていました。しかし「私」がどう探り入れても、彼に女のカゲはなく、「金がない」と言って、みすぼらしい姿で「私」に応対します。証券会社に勤めていた頃の無口で勤勉な印象とは対照的に、斜に構えた態度で「家に帰るつもりは無い」と断言します。私が「なぜ家庭を捨てたのか?」と問うと、「絵を描くためだ」と答えるのでした...この感想を読む