笑う月の評価
笑う月についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
笑う月の感想
戦慄と不安
この書物は掌握小説によって成り立っている。しかし全部がバラバラではなく連関を保っているのがまた面白い。特に興味深いのは作者の戦慄した体験である。夢の中に化物が出てきて追いかけられる。それから夢だと気づいて手をつねってみる。成程、夢だ、まったく痛くない。でも、それでも今回は目覚めなかった。ひたすら化物から逃げる作者の心理はおそらくこうであったろう。明らかにこの夢は現実世界を反映している。人生と云う道を進む時の不安、それも漠然とした不安、そしてそれは作者が何かの物事に追われている証拠である。作者は自己の夢を夢判断しなかったが私は興味があったので上記の様に判断したのである。最後に総括するとやはり人を惹きつける文章である。であるからして、作者の作品には人が寄ってくるのである。