話題のテレビドラマが始まって終わる間に、日本のどこかで三人の人間が自殺してても、計算の上では別に不思議じゃないってことになる。
由良彼方
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プシュケの涙は、柴村仁の作品で、メディアワークス文庫から2010年2月25日に販売された小説である。 今作品は、自殺した少女の謎を解き明かすために二人の少年が真相を解き明かそうとするストーリーである。 夏休み。女子高生・吉野が校舎の4階から飛び降り自殺した。その頃、夏休み中の補修に出席していた榎戸川は、窓の外を落ちていく様子を見てしまった。事件後、吉野の死が葬り去られようとしていた時、少女と同じ美術部の由良彼方と榎戸川が出会う。 吉野は登校拒否状態であったが、ひそかに美術部に通っており蝶の絵を描いていたというのだが、絵は未完成であった。未完成の絵を残したまま自殺するのだろうか、本当に自殺だったのだろうか。現場を目撃した榎戸川と、何を考えいているかわからないと評判の変人・由良が真相解明に動き出す。 吉野はどんな女子高生で、誰と付き合いがありどんな生活をしていたのか、そして死の背景には何があるのか。その真相とは一体!?
主人公の通う高校で飛び降り自殺が起きた。その日は夏休みで成績の悪い主人公は数人のクラスメイトと共に補習授業を受けていた。窓際に座っていた主人公は目撃してしまった――そして皆がその自殺を話題のタブーとして扱っている中、由良というクラスメイトがその自殺について問い詰めてくる。主人公は鬱陶しいと思いながらも巻き込まれて一緒に自殺の真相を探ることになるそんなお話しです。前半と後半に章が分かれていますが、この構成が見事です。こういう構成にしたら切なさが増す、というのを分かって書いているんだなぁと思いました。個人的には青春小説という感じがしましたが、ミステリとしても十分楽しめると思います。
よみがな:ゆらかなた
由良彼方
同じ部員の子が自殺をしてしまいそれが本当に自殺だったのかを飛び降りる瞬間を目撃した榎戸川に由良が何か情報を聞き出そうとしているとき。