小さいおうちの評価
小さいおうちについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
小さいおうちの感想
戦前の美しい日本と不倫のコントラストが印象的
直木賞受賞作家『中島京子』作品の映画化映画予告を見てすっかり気に入ってしまった。原作は直木賞作家の小説ということで、少し嫌な予感がしなくもなかったが、そこは山田洋二が監督だと気を取り直して。しかし、布宮タキ(倍賞千恵子)が亡くなった後、荒井健史(妻夫木聡)がノートをめくりながら回想禄へと移行するという流れに、ますます嫌な予感は増すばかり。演出上仕方のないことなのかもしれないが、戦前の昭和初期に青春時代を送った女性がノートに書き残してまで大切にしたかった想いを、この映画はどんな風に表現するのか想像ができなかった。そしてやはり、壁に掛かったおうちの絵が示すものと、タキの『想い』の本質が私には最後まで掴めなかった。昭和初期の美しい日本が舞台戦前の昭和11年が映画の舞台というところに心を揺さぶられた。かつて日本が最も美しかった時代。どこか懐かしく、幻のようにロマンチックな時代の空気感が見事に表現され...この感想を読む