アニマル・キングダムの評価
アニマル・キングダムの感想
堕ち続けて終わる重さがつらい
家族の在り方の恐怖母親と2人で生活してきた17歳のジョシュア。ところがある日、ジョシュアの母親はヘロインの過剰摂取による中毒で亡くなってしまう。どうしたらいいのかわからないジョシュアが連絡をしたのは、母がなかなか会わせようとしなかった母方の祖母。祖母はすぐに駆け付けてくれて必要な処理をし、ジョシュアを引き取ってくれると言う。ここからジョシュアの絶望と新たな再生が始まるのだった。数々の賞にノミネートされたこの作品のすごいところは、実話を基にしたことによる重厚感、ジョシュアの生き方が崩れていく恐怖と、それでも家族が基盤に在る恐ろしさがわかってしまうことだ。祖母スマーフの3人の息子たちは、アンドリュー、クレイグ、ダレン。皆気さくで、家族想い。彼らの母を大切にしていることが分かる。しかし、ひとたび外に出れば、彼らのしている行為は犯罪ばかり。密売、暴力、強盗が彼らの仕事であり、それによって生計を立...この感想を読む
どうやって生き残るのか
心理がわからない主人公のジョシュアは最初から最後まで感情が乏しいというか、あまり表情や仕草にださないタイプ。なので今何考えているのかとか、そういうのがほぼわからないように映画のなかで描かれています!だからこの映画がダメ?ってなるかというとそうではなく、逆にそれが彼の行動を際立たせているんですよね。ジョシュアが一番感情をむき出しにしたのは彼女の死のときだと私は思うんですよ。それほど彼女のことを大切に愛してたのだとわかります。そして他の家族が身柄を拘束されたときのおばぁちゃんの態度。優雅に紅茶を飲んでいました。あのときはなんでそんなに落ち着いてるんだって思いましたが、裏取引できる立場だったからってことなんでしょうかね。凶悪なそして普通な家族警察に監視されるほどの家族なのに、けっこう普通なんですよね。家族で食事したり楽しく家族団欒したり。でもむしろ何か犯罪をしたときとかちょっとした言動が一気...この感想を読む