奈緒子の評価
奈緒子についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
奈緒子の感想
乗り越えなくてはならない思春期の心の成長
「のだめカンタービレ」や「スウィングガールズ」とは違う、切ない表情の上野樹里さんがいい。乗り越えなくてはいけない大きすぎるものを抱えている奈緒子の心情がうまい。奈緒子は小さい時、観光に来ていた島のボートから落ちてしまう。すぐに助けられたが、救ってくれた壱岐健介は死亡。その息子、雄介との接し方が分からずに戸惑いながらも、走ることを通じて乗り越えようとするストーリー。物語全体に横たわっているのは、奈緒子と雄介のそれぞれの苦悩だけど、少しずつ乗り越えて、青春として走ることに接する2人を感じられると嬉しくなってしまう。けれどそこまでの道のりは長くて、乗り越えなくてはならない過去の出来事がどれだけ大きかったかを物語っている。そんな二人を厳しくも温かく見守っているのが根性監督の西浦天宣。鶴瓶さんが演じるからこそ、映画全体の奥行きが深くなっている。