ザ・マジックアワーの感想一覧
映画「ザ・マジックアワー」についての感想が10件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
三谷作品の中では1番お腹から笑えるかも
「THE 有頂天ホテル」も嫌いではなかったのですが、何だか間延びしている部分があって最後は観てて少し疲れた部分がありました。でもこの「ザ・マジックアワー」は最後まで本当に楽しめる作品でした。あの佐藤浩市さんが演じる売れない役者が演じる「デラ富樫」かな。彼は映画を撮影していると思っているからその身振りがすべてオーバー。ナイフを舐めたりしてその動きは恐怖というより笑いでしかないんだけど、ボスは本当のデラ富樫と信じ切っているからまた面白い。この作品、最後まで観ると本当の「デラ富樫」が分かるんだけど、全く佐藤浩市さんが演じているような人と違うからまたそこが面白かったりしました。
日本の喜劇映画ももっと評価しても良いのではないかと思う作品
どうもアメリカやイギリスなどの欧米に比べるとどうも日本は喜劇映画への評価が低いように思えてなりません。ただ喜劇って人間の喜怒哀楽のなかで一番難しい「笑わせる」ということをしなくてはいけないし、更に「笑わせる」だけではダメで、笑わせて猶更ストーリーも確立されるという難題もあるだけに、私的には最も難しいジャンルだと思うのです。そんな喜劇映画の日本の代表と言えばやはり三谷幸喜監督でしょう。この作品でも三谷テイストは満載。役者陣が自らも楽しんで映画を作っているのが伝わってきて観ている側も楽しくなってしまう映画なのです(特に佐藤浩市さんね)。また壮大なセットも見どころ。本当の不思議でおかしい街がどこかにあるようです。
魔法の時間
三谷幸喜監督作品といえば、何も考えずに笑える面白さと、見た後になぜか心が温かくなるシナリオが特徴ですが、この作品にはその要素はもちろん、マフィアや殺し屋など独特の世界観で、見ていて常にハラハラさせてくれます。佐藤浩市や西田敏行の、三谷監督との相性はやはり抜群。登場する町並みはすべてセットで、作られたものであり、エンディングロールでその建設過程が見られます。私はその時初めてセットだと知ったので、かなり驚きました。これも私は見た後に知ったことですが、監督の前作「THE 有頂天ホテル」から香取慎吾が同じ役で特別出演していたり、劇中劇には元ネタがあったりで、一度見た方も見返す価値はあるでしょう。
こだわりの笑いの世界に身を任せる
三谷作品はあまり好きではない。特に前作の「THE 有頂天ホテル」のワンシーンワンカットは、舞台をそのまま録画したものを見ているような気がして、映画らしさが無いところがあまり好きではなかった。けれど、三谷流の笑いは好きだ。細かいところまでこだわったクスリとした笑いが散りばめられており、爆笑できる部分が活きている。本作で言えば、デラ富樫とボスの初対面シーンは最高だった。笑い過ぎてお腹が痛くなり、もうやめてほしい、と思う程に。安心して家族で見ることができるし、人が集まった時に流しながら見るにもちょうどいいコメディー。かなり重宝できる映画だと思う。
喜劇!!
三谷幸喜監督のコミカルな感じは、好きな方です。大笑いではなく、くすくすっと小笑いが続くのが私のツボです。そして、いつも役とキャストのイメージがとってもあっていて、俳優さんは本当にそんな性格なのではないかと、三谷作品では感じてしまいます。この映画は昭和初期のような、独特な雰囲気と街並みのセットがレトロで異国情緒感たっぷりです。ひやひやしながらも笑ってしまうところが随所にあって、いろんな楽しみがおもちゃ箱みたいに詰まってます。ラストに、いい意味で裏切られます。不思議な世界。 最後のエンドロールもシャレがきいてますよっ!力を抜いて、まったりと観てほしいです。
とにかく笑える
三谷幸喜脚本、佐藤浩市主演のコメディ映画です。三谷映画は私はあんまり好きではないのですがこの作品は話の筋こそちょいと強引だけどその強引さを何とかしてしまうあたり流石三谷幸喜かなと言わざるを得ない感じだと思います。街を牛耳るボスの愛人に手を出してしまった備後。五日以内に伝説の殺し屋デラ富樫を見つけて来いと言われるが期日内にデラ富樫を見つけることが出来ず無名の俳優村田をデラ富樫に仕立てボスを騙そうとするのだが・・・。すべての事情を知っている備後。何も知らないボスと村田。彼らの掛け合いが何とも面白く最後のオチまで飽きずに見る事が出来ました。まるで舞台を見ているかのような映像にとてもワクワクします。
邦画嫌いな私を笑わせた一作!
邦画はホラーぐらいしか興味がありませんし、もちろん三谷作品も見たことがありませんでした。しかし当時付き合っていた彼女が観たいとのことで渋々映画館に観に行きました。妻夫木聡、深津絵里、佐藤浩市、綾瀬はるか、西田敏行、唐沢寿明、香川照之…。この錚々たるメンバーが守加護というレトロで夢のある街で物語を広げていきます。守加護はシカゴをイメージしてるんでしょうね。ちなみにシカゴの漢字表記は市俄古。佐藤浩市の無邪気な感じ、妻夫木聡の必死な感じ、西田敏行のおちゃめな感じ、深津絵里の非情な感じが、すごく分かりやすく、感情移入しやすかったです。お笑い要素が強く、終始笑っていた記憶があります。シンプルなストーリー、笑いこそ、今の映画に求められていることですね。そしてマジックアワーはまたやってくる、つまりチャンスはまた訪れるから夢を諦めるなという、メッセージ性のある映画でした。三谷作品をまた観てみようと思い...この感想を読む
逆さの逆さの逆さの世界
滑稽でファンタスティックな作品。誰も見たことがない伝説の殺し屋デラ・トガシを演じる男優役の佐藤浩市さん、最高!そして、脚本に拍手!売れない男優を雇い、デラ・トガシとして演じさせ、ギャングたちをだます。男優本人は自分は演じているとしか思っていない。しかし、それはフィクションではなく、ノンフィクションなのだ。鑑賞している者は逆さの逆さの逆さの世界の不思議な距離感を味わえる。鑑賞している作品はフィクション。男優が見ている世界はフィクション。(本人は映画の役どころを演じていると思っているから)作品の世界で起きている物語はノンフィクション。文章にすると頭がねじれまくっているが、映像だと面白い。
佐藤浩市×監督:三谷幸喜の組み合わせに笑って下さい!
売れない3流の役者がひょんな以来から殺し屋になりきる姿を描いた映画です。いや、言い切るには違うと思うのですが・・・うん。売れない役者を佐藤浩一さんが演じているのですが、過剰な演技、おとぼけっぷり、殺し屋になりきる姿 役者バカっぷりたまりませんよ!見ていて思わず、佐藤浩市さんというより思わず売れない役者・村田大樹の応援に入りそうになります。思わず突っ込みをいれたりしたくなる、一緒にその世界に入ってしまっているのでは!?と思わせてくれる映画だったなー!!夕暮れ時のほんの一瞬だけ見られる幻想的な空の画・・・・そんな素敵な景色が心に残るように、映画を見終わった後に心のどこかに残る映画でした。
佐藤浩市の演技に惚れ惚れ!
佐藤浩市さんは、笑わせる演技も、泣かせる演技もおできになる、ということを世に知らしめた一作だと思う! これまで佐藤浩市さんのこと、なんだか苦手だなぁと思っていたのに、見事に覆された。そして映画館に二回足を運んだ。この作品がきっかけで佐藤浩市さんのファンになった。映画俳優を目指している彼が、自分の姿がスクリーンに映っているのを観て涙ぐむシーンでは思わずもらい泣きしてしまった。脚本は、とても三谷幸喜さんらしい、というか。ドタバタした感じ、ありえない展開、でも最後にはほっこりさせられるような。妻夫木くんも、ふかっちゃんも、そのほかの人たちもみんなみんな、それぞれがいい味出してる映画だと思う。