それぞれの"つぐない"
正統派英国映画を彩るキャスト陣少女がついたたったひとつの嘘と、そのつぐないの物語。私が最も好きな映画の一つです。10年ほど前の作品であるにも関わらず、古臭さは全く感じられません。美しい映像と音響、俳優陣による文句なしの演技。これぞ映画というべき作品だと思います。原作となった小説を過不足なく見事に映像化していると言っていい。イギリス映画は好きでよく見ますが、皮肉がきいていて考えさせられるものが多いと思います。何も考えずには見られないような、受け手が作品を吸収し解釈することで漸く完成するというか。そういった点では『つぐない』は正に正当派英国映画です。この映画のキャストは皆素晴らしいのですが、特筆すべきは主人公である多感な少女ブライオニー・タリスを演じた当時13歳のシアーシャ・ローナン。年に似合わない賢さと、少女であるがゆえの潔癖さを兼ね備えた繊細なブライオニーを見事に演じていますね。彼女の薄い...この感想を読む
5.05.0
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