トーク・トゥ・ハーの評価
トーク・トゥ・ハーについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
トーク・トゥ・ハーの感想
沈黙に降る雨の音。
ベニグノとマルコ、ふたりの対照的な男性が、昏睡状態に陥った女性(恋人、もしくは思い人)を持つという共通点からいつか言葉を交わすようになる。ベニグノは思い人を献身的に介護、文字通り日々彼女に話しかけ、返事をしてくれるかどうかは問題じゃない、とマルコに言い切ってみせるが、彼は決して彼女(アリシア)に受け入れられた存在ではない。愛情ってなんだろう、関係ってなんだろう?という疑念をぐるぐるさせながら、この映画には静かに降る雨を眺めるシーンがたくさん存在する。その雨の音、窓ガラス越しのマルコの表情が、とても印象に残る。物語は終盤、かすかに変化を見せるけれど、それすら幸福の予兆とは取れない。安易なハッピーエンドへとコマを進めないところが、憎いともいえるし、納得でもある。