処刑の島の評価
処刑の島についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
処刑の島の感想
知られざる傑作の一本です。
この映画での主役は、太平洋の孤島の厳しい大自然の姿だ。溶岩に囲まれた島の切りたった崖や荒海の迫力が、その人生の孤独感や厳しさを映し出してくれています。ドキュメンタリー出身の鈴木達夫のカメラは、カラーを抑えながらの映像が見事にその自然を捉えています。脚本は石原慎太郎。主人公の少年が父親を殺した憲兵に対しての復讐心から、その男の指をつめさせる、ということを通して日本的な情念を巧みに描いています。主役の三郎役の新人・新田昌と憲兵・大嶽役のベテラン俳優・三国連太郎をがっぷり組ませることで、ベテランVS新人の演技をたっぷりと楽しめます。篠田正浩監督作品の中では、なかなか陽の当らない作品ですが、まさに傑作の一本です。