星の速さで駆けてくのあらすじ・作品解説
星の速さで駆けてくは、谷川史子氏により、哀しみを抱えた人物と、彼を取り巻く人物の切ない人間模様を描いたマンガである。 志伸は、恋人である寛ちゃんと共に志望する大学への進学も決まり、幸せの絶頂であるはずだったが、いつも沈んだ気持を隠しきれずにいた。何をしても心から笑うことが出来ない、いつも心にしこりを抱いている。そんな志伸の心を締め付けていたのは、志伸の幼馴染みである久の死であった。若くしてこの世を去ってしまった幼馴染み。志伸は心に空いた穴を埋めることが出来ず、常に心は凍ったまま。恋人の寛もまた、そばに居ながらも心の隙間を埋めることが出来ない自分の無力さに苦しんでいる。 決して戻ることはない、幼馴染みのいた時間。大切な人を永遠に失ってしまったことにより哀しみの底に堕ち、幼馴染みがこの世を去ってしまったあの日から止まってしまった幸せな時間。苦しみの中で生きる志伸と志伸を取り巻く人物たちの切ない感動作である。
