女の子の食卓のあらすじ・作品解説
女の子の食卓は、集英社創刊のCookieにて連載していた志村志保子の漫画作品である。同誌で2010年~2012年まで連載し、コミックスは全8巻。 この作品はグルメ漫画でありながら1話完結のオムニバス形式で、毎回アイスクリームやもんじゃ焼き、ミントガムなど1つの食べ物をテーマにし、そこから女の子の思い出や恋愛、友情、家族を描く作品であり、毎回主人公をはじめ出てくるキャラクターは変わってくるのである。弟とスイミングスクールに通う小学5年生の郁は、練習後に食べるセブンティーンアイスが大好きである。家族は一年前に離婚し現在は父親と再婚相手の義理の母親と暮らしている郁は、今の母親とはどうしても溝が出来て素直になれない自分がいた。いつもの様に母が迎えにくるのを待っていると実の母親が目の前に現れ「アイスを買ってあげようか」と言われるが、郁はそれを拒否するのである。果たして郁が拒否した思いとは…心に染み渡るショートストーリー作品集である。
女の子の食卓の評価
女の子の食卓の感想
食と生活はつながっている
タイトルの通り、主人公はすべて女性。主人公や周りの人たちと、そのエピソードにまつわる食べ物を描いた1話読み切り形式の短編集です。設定につよい決まりがあるわけではありません。タイトルは「女の子」となっていますが、主人公は名のごとく小学生の女の子から、アラサーのOLまで様々な年代です。ストーリーも、恋愛ものから家族もの・友達・人生など幅広い物語が描かれています。そしてこの漫画のキーとなる「食卓」ですが、たいそうな料理が出てくるわけでもありません。グリーンピースのおにぎりや変わった味のジュース、手作りのケーキや学校の近くの駄菓子屋にある焼きそばなど・・・。盛大な手料理やお高いフランス料理は出てきませんが、どれもひとつひとつの物語にしっくりくるチョイスになっていて、素敵なスパイスになっています。思春期特有の恥ずかしさやいたたまれなさ、また大人になってからの友達づきあいの難しさや家族の軋轢、失恋な...この感想を読む