欲望のあらすじ・作品解説
欲望は、1967年のミケランジェロ・アントニオーニ監督による映画で、同年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞している評価の高い作品である。アントニオーニ監督は脚本も担当しており、初めての英語作品でもある。 1960年代のロンドンを舞台に、主人公のカメラマンの青年が、一枚の奇妙な写真をきっかけに不可解な出来事に巻き込まれて行く、サスペンスタッチの作品であり、また、当時のロンドンの若者を中心に巻き起こっていたムーブメントを随所に織り交ぜた作品でもある。 若手人気ファッション・カメラマンの主人公トーマスは、公園で見かけたカップルを盗撮したが、女に気づかれ、後日ネガを渡すように要求される。問題のネガを現像してみると、そこには思いもよらぬものが写っていたのである。 一人のファッション・カメラマンが巻き込まれて行く奇妙な出来事を通して、当時のロンドンの若者文化と流行、都市での生活や名声に憧れる心理を鋭く切り取り、描いた作品である。