ヘアスプレーの感想一覧
映画「ヘアスプレー」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
ヘアスプレー
この映画はとても清々しい。ビッグサイズの娘、そしてそれよりもかなりビッグサイズの母親(そしてひょろひょろの父親)が朝から元気!前向き!そんなオープニングから考えさせられた。ああ、日本人はなぜこんなに痩せたがる、そして太っちょはダメだという風潮が強いのかと。彼女らがありのままの自分を気に入って、歌と踊りが大好きで(キレが二人ともやけに良い)、毎日楽しく過ごしているというのに!ありのまま、といえばこの映画には人種差別の問題を大きく提起していた。黒人だからテレビのオーディションを受けてはいけない、白人ばかりで美しく、上品なテレビを作ろうという悪役のテレビ女性キャスターにはとても腹が立った(というか、こんなに腹を立たせるような脚本と演技はすごい、アメリカの現状を皮肉ったシーンはアメリカ人にはどう映ったのか気になるところではあるが)しかし、そんな女性キャスターをビッグサイズの母娘コンビがギャフンと言わ...この感想を読む
デブが頑張るただのミュージカルではない!
デブ?黒人?そんなの関係ない!トレイシーはおしゃれとダンスが大好きな女の子です。体はお世辞にも細い…どころかビックサイズ!だけどトレイシーはそんなことも気にしません。大好きな番組『コーニーコリンズショー』のオーディションにも臆することなく挑戦し、大成功!これだけでもなんだか凄そうな気がするのですがトレイシーのすごいところは「差別の撤廃」にあります!ヘアスプレーの時代設定は1962年。"I have a dream"で有名なあのマーチン・ルーサー・キングJr.やマルコムXなど黒人の人権運動家の活動はありましたが1960年代もまだまだ黒人差別というのは色濃く残っていました。ヘアスプレーはそんな時代のお話です。トレイシーの大好きな『コーニーコリンズショー』にも差別はありました。番組を白人と黒人で曜日とメンバーを分けていたのです。そんな黒人差別のあった時代にも関わらずトレイシーは黒人の友達を作り、踊り、歌い、差別など全く...この感想を読む
元気がもらえる映画
この作品、やっぱり気になるのは女装をしているジョン・トラヴォルタですね。主人公のぽっちゃりした白人のお母さん役なんだけど、太ったメイクをしているけれどダンスがキレキレで凄い!黒人差別を扱っているものなので重たくなりがちなのですが、ダンスシーンや主人公の女の子のキャラクターで明るい作品になっています。そして人種差別をなくすために奮闘する姿はカッコよかった。テレビ局でダンスするシーンは圧巻で、人種関係なくみんなで仲良く踊っている姿こそが「差別なんて意味がない!」と訴えている気がしました。最後に黒人の女の子がダンスで優勝するというのも観ていて嬉しくなりました。
YOU CAN'T STOP THE BEAT!!
元は、ブロードウェイのミュージカル。ハイスクールミュージカルでスターになったザックエフロンが出ている。ジョン・トラヴォルタが女装して母親役を演じたことでも話題になった。黒人差別が普通だった時代、差別を乗り越えようと人々が立ち上がり、意識をかえるという映画。重たいテーマを扱っているけど全然暗くはない。むしろ、テンションが上がる。ローカルのテレビ番組が話の軸になっている。ふとっている白人の女の子がどんどん人気になり、最後には、黒人の女の子が、一番人気になる。ダンスシーンはすばらしい。ラストのYOU CAN'T STOP THE BEATはいつまでも、踊り、歌い続けてほしいぐらい、鑑賞していて気持ちがいい。