映画が書物を裏切らず、書物の虜にならない爽快さを描いた珠玉の作品 「読書する女」
声の美しさを生かして、人に本を朗読するという仕事を始めたミュウ=ミュウ演じる主人公は、新聞に公告を出し、5人の客を得た。しかし、それぞれ事件を起こしていく。そして、最後に判事の家で読むことになったのが、サドの小説だった。身の危険を感じながらも、読み始めるミュウ=ミュウだったが-------。書物と映画との幸福な出会いを保証する映画とは、どんな映画だろうか? -------。イタリアで最初刊行されたが、当時のソ連国内では発禁、その上ノーベル賞受賞、そしてその辞退、とスキャンダルに覆われたパステルナーク原作の「ドクトル・ジバゴ」と巨匠デヴィッド・リーン監督との出会いだろうか。それとも、性と道徳の問題を正面から扱ったトルストイ原作の「アンナ・カレーニナ」とそれを神秘性と官能の匂い立つ作品に自立させたグレタ・ガルボとの出会いだろうか。あるいは、「惑星ソラリス」でのスタニスラフ・レムとタルコフスキー、あるいは「風と...この感想を読む
4.04.0
PICKUP