俺はお前たち人間には信じられない光景を見てきた…オリオン座の近くで輝く戦闘艦。暗に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くビーム。この記憶も時と共に消えるのだ…雨の中の涙のように。俺も死ぬ時が来たようだ…
ロイ・バティ
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管理社会は大昔から存在していた。人間から見れば、全てを脳が統括しているのと変わらない。この作品では、その脳さえも人の手によって造られた演出がなされている。つまり行動範囲はプログラムされたものだ。現代ではそれはパソコンやスマホに該当する。登場人物の思い出さえも刷り込まれたものだ。創造主の手元に置く必要が全く無いので、極めて管理し易い。僕がこの作品を観たのは、二十歳頃だった。当時は単館上映で今 は閉館している。制作当時にこれだけの、近い将来のネット社会を予見した映画を僕はあまり知らない。ネットの闇がそのまま犯罪に反映されているのが 現代だ。作品ではレプリカント達が反乱を起こす。創造主は彼等のリ-ダ-に殺害される。過酷な労働を強いる者と抗う者。端的に 見て、ブラック企業を表現したものに他ならないだろう。大局的な観点で言えば、独善による独裁政権打倒を目論む者や組織と言ったところだ。かくして刑事とレ...この感想を読む
ロイ・バティ
アンドロイドであるロイが自分の命の終わりを悟り、仲間を殺し、更に自分を殺しにきた人間を助け、上記のセリフを言う。アンドロイドは四年しかない寿命の中で人間には出来ないような過酷な労働に従事するのだ。ロイは寿命を伸ばすことも出来ず、仲間も失い絶望の中で彼の生きた証を残そうと、暗殺者を助ける。