サテリコンの評価
サテリコンについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
サテリコンの感想
フェデリコ・フェリーニ監督の自己耽溺が生んだ、人工の極致に咲いた地獄花とでもいうべき、怪奇な映像の交響曲 「サテリコン」
壮大な自己告白の戯画化である「8 1/2」を1963年に作った、世界最高峰の映像作家・フェデリコ・フェリーニ監督は、その女性版ともいうべき1964年の「魂のジュリエッタ」で初めてカラー映像に挑戦し、神秘性と幻想の世界へと深く足を踏み入れましたが、この映画「サテリコン」は、毒々しいまでに絢爛として、人工の極致に咲いた地獄花とでもいうべき、怪奇な映像の交響曲なのです。自作の解説がうまいフェリーニ監督は、この作品について「これは未来へでなく過去へ向かってのSFの旅である」と語っていて、もし一言で「サテリコン」を説明しろと言われれば、なるほどこういう他はないだろうと思われます。とにかく、この映画はフェリーニ監督初の古代劇であり、また彼がなんらかの形で"原作"を借りたものも初めてなのです。その原作者は、一世紀のローマに生きたペトロニウス。有名な暴君ネロは、キリスト教徒を迫害し、母を殺し妃を処刑したローマ皇帝ですが...この感想を読む