サイコの感想一覧
映画「サイコ」についての感想が6件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
前半は面白いが…
やたらと古い作品を美化して推す人間がいますね。でもそんな中、同じアルフレッド・ヒッチコックの『鳥』は本当に怖くて面白かったので、他作品も観るようになりました。サイコもかなり評価の高かったので観ましたが、個人的には微妙でした(あくまで現代の感覚での評価です)。前半の4万ドル(1440万円→1ドル360円固定)を横領し、モーテルに到着するところまでは大変良かったです。しかし、マリオンがいとも簡単に死んでしまったのが残念というか、ずっと最後まで生きて、謎解きしていくのかと勝手に想像していたので。おかげで、4万ドル云々のくだりは、無に帰してしまいました。あとは、殺害シーンだけ、スローモーションというか、よくわからない変な撮り方になってしまうのは気になりましたね。ダリオ・アルジェントの『サスペリア』での殺害シーンもあんな感じで、気に食わなかった覚えがあります。マリオンが殺害されるシーンはまだ耐え...この感想を読む
有名なシャワーシーンは、いろいろな映画に引用されています
白黒の画面で、ヒッチコックタッチといわれるショッキングなシーンが連続して起こるために、観ている私たちには何となく生々しくて、寒々しい印象を残すことになるのも、演出術の一つになっています。特に当時から話題の一つになっているシャワーシーンは、犯人が大きなナイフで宿泊客の女性をグサリグサリと刺すところや、グッタリ倒れたその女性をビニールシーツに包んで運ぶところなども、女性自身を見せない構図運びで、カットカットが計算しつくされています。そしてその女性の乗ってきた自動車を沼に沈める場面でのハラハラドキドキ感。何といっても驚愕のラスト!主役のアンソニー・パーキンスと ジャネット・リーがハマリ役の逸品です。何回でも見直したくなります。
THE・ヒッチコック
60年に制作された事を考えると明らかに斬新なのだが今の時代を生きている私にとってはやっぱり古さはひしひしと感じる。ただヒッチコックは恐怖とは何か?その土台を作った監督であってこの作品をみた時にそれを確認できた様な気がした。間の取り方やカメラワークはとても素晴らしくずっと気付いたら肩に力が入って緊張していた自分に気付いた。リモコンの主導権を握っているのはもちろん自分自身で停止する事も選べるのだが続きがみたくなるんですもの。見終わったあとは妙な達成感と疲労感があり、肩こりサンになってしまいました。ホラー映画ってこうあるべきなんだろうなっと思った作品でした。
ヒッチコック代表作
かなり怖いです、昔からある有名な映画ですが、特にバスルームのカットが非常に怖いですね。主人公の女性が車で逃走します。郊外のモーテルに何泊かしますが、そこで迫りくる主人に女性がされます。このシーンがとても怖く、その後にお風呂に入れませんでした。行方不明の女性を探す妹は、そのモーテルに兄弟が止まっていた痕跡を発見します。がノーマンの気を引いている間に、彼女がノーマンの家を捜索し、その主人が殺した母親の白骨死体を発見します。犯人のノーマンはこの事態に入り込んだ男を殺害しようとしますが、そのあたりがクライマックスになりかなり怖いです。最後はめちゃくちゃ怖い精神異常の物語です。
恐いもの見たさの頂点
1960年に公開されたアルフレッド・ヒッチコック監督のサイコホラー。殺人鬼物のクラシック。半世紀前に作成された映画だ、白黒で特殊撮影も無いが、これはヒッチコックが残した名作中の名作だ。この作品を作るときを描いた映画「ヒッチコック」が今年公開された、ぜひ合わせてみてはいかがだろうか。楽しみが末広がりに広がる。通常の映画なら最後まで残るべきジャネットリーは主人公級のキャラクターだが、これがとんでもない所でサヨウナラ。千切れるシャワーカーテン、陰だけの犯人像、カサついた髪の毛、状況証拠だけが見せられる想像の恐怖感。ノーマン・ベイツというキャラクターが全てを語る、マザコンの恐ろしさを見せてくれた作品。この後、サイコパス物は母親との葛藤がキーポイントになった。
驚愕のラスト
ただのホラー映画でなく、驚愕の「仕掛け」がプロットに仕組まれているのが特徴の作品です。当時「オチは話さないでください」とテロップが出たそうですが、それも納得できます。会社の金を横領して郊外に逃げて、とある寂れたモーテルに逃げ込んだ女性。そこで青年に応対されるのですが、口うるさいヒステリックな母親がいるらしいことが示唆されます。そこから物語はスリリングに展開しますが、ストーリー通りに見ていくとラストで驚きの背負い投げを食らわされてしまう結果になります。白黒ながらヒッチコックの演出だけあって今でも十分に心に訴えるものがありますし、現代の下手なスリラーよりよっぽど楽しめると思います。一回は見ていて損はしない古典です。