河よりも長くゆるやかにの評価
河よりも長くゆるやかにについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
河よりも長くゆるやかにの感想
吉田秋生が描く、基地の街の高校男子の鬱屈と倦怠と×××
米軍基地のある街に暮らし、頭の中はヤることでいっぱい、だけどちょっとだけセンシティブ(ってのももう死語ですかね)な回路を持っている。そんなザ・昭和な高校生トシたちの物語です。発表年からかなり時間は経過していますが、今読んでもハッとさせられるところがありますよ。男に乱暴された友人・順子に「悪い犬にでもかまれたと思って忘れなよ」と慰めたトシが「じゃあ、あんたは犬にかまれたことを忘れられるの?」と聞き返されるシーンとか、若いなりにも男女の溝をもうすでに抱えているところ(こたつでくっつくだけ、とかね)をいい距離感で描いています。BANANA FISH以前の、かなりゴツゴツした絵柄のころの作品ですから好悪がわかれるかもしれませんが、個人的には大好きな作品です。