サカサマのパテマのあらすじ・作品解説
『サカサマのパテマ』は、2013年11月9日にアスミック・エースの配給で公開されたアニメ映画である。監督・脚本・原作は『イヴの時間』を手がけたことで知られている吉浦康裕が務め、アニメーション制作はパープルカウスタジオジャパンが行った。 このアニメ映画は、第17回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門優秀賞、スコットランド ラブアニメ映画祭2013の観客賞および審査員賞、第51回ヒホン国際映画祭のSpecial Mention賞といった賞を受賞するなど高い評価を受けている作品である。 物語の主人公は、アイガ君主国という国で暮らしている少年・エイジである。アイガ君主国は徹底した思想教育を行う管理社会であるため、彼はこの国を嫌っている。そしてヒロインは、地下集落で暮らしている少女・パテマである。彼女は好奇心が旺盛で、立ち入りが禁止されている危険区域をよく探検している。『サカサマのパテマ』は、エイジとパテマの交流と、この世界の謎に迫る2人の姿を描いたSFアニメ映画である。
サカサマのパテマの評価
サカサマのパテマの感想
サカサマのパテマ考察!アイガ人と地底人について
「空」だと思っていたものは・・・この作品を視聴した後の率直な感想として、とても面白かった。ありそうでなかった発想。なるほど、そういうことだったのかと。全てが「サカサマ」だったのだ。視聴後に頭の中で色々と整理する必要があるなと思った。まずは最終的に判明した「アイガ人の住む世界」と「地底人の住む世界」の位置関係から整理しようと思う。パテマたちが落ちていったと描写されていた「空」は、実は人工的に作られたものだった。中盤でエイジとパテマが共に空へ落ちていくシーンがあるが、その先には無機質な空間が広がっていた。無数の明かりが灯っており、人気はない。パテマたちが乗り物に乗って脱出を試みようとしていたときに、足を着けていられないほど熱くなっていた。この空間の正体は「人工照明」であり、この世界の最も下層に位置するものだ。ラストシーンでサカサマ人がパテマたち地底人ではなく地上に住むアイガの人たちだと判明...この感想を読む
世界観の面白さ
豊かな発想力劇場版アニメ「サカサマのパテマ」という作品からは、原作者の発想の豊かさを感じられます。なかなか重力が逆に作用するという発想ができるものではありません。そして、重力を逆に作用させることで、アニメーションとしても面白い映像と世界観を描き切っているように思えます。空に落ちる、なんて考えもしないことを考える機会になりました。どんな理屈なのか、明確にされることはありませんでした。しかし、それはそれで無理矢理に当てはめた理由付けにしかなりません。それよりも、重力が逆に作用することにより面白い世界観を描きたかったのだと思います。同じような重さの人間が抱き合うことで、重力が中和される様子や、天井を歩くという一般的な考え方、捉え方では理解できない感覚を想像するだけで面白かったアニメ作品だと思います。ただし、劇場版アニメとして、それだけで約90分の本編時間を制作するには、無理があったように感じ...この感想を読む