サカサマのパテマ考察!アイガ人と地底人について - サカサマのパテマの感想

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サカサマのパテマ

4.304.30
映像
4.50
ストーリー
3.50
キャラクター
4.00
声優
4.25
音楽
4.50
感想数
2
観た人
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サカサマのパテマ考察!アイガ人と地底人について

4.04.0
映像
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
3.0
声優
3.5
音楽
4.0

目次

「空」だと思っていたものは・・・

この作品を視聴した後の率直な感想として、とても面白かった。ありそうでなかった発想。なるほど、そういうことだったのかと。

全てが「サカサマ」だったのだ。

視聴後に頭の中で色々と整理する必要があるなと思った。まずは最終的に判明した「アイガ人の住む世界」と「地底人の住む世界」の位置関係から整理しようと思う。

パテマたちが落ちていったと描写されていた「空」は、実は人工的に作られたものだった。中盤でエイジとパテマが共に空へ落ちていくシーンがあるが、その先には無機質な空間が広がっていた。無数の明かりが灯っており、人気はない。パテマたちが乗り物に乗って脱出を試みようとしていたときに、足を着けていられないほど熱くなっていた。この空間の正体は「人工照明」であり、この世界の最も下層に位置するものだ。

ラストシーンでサカサマ人がパテマたち地底人ではなく地上に住むアイガの人たちだと判明する。そして、今まで地上だと思っていた場所が「地下」であり、その更に「地下」でエイジたちアイガ人が暮らしていたということだ。

つまり、上から順番に

  1. パテマたち地底人
  2. エイジたちアイガ人
  3. 「空」だと思っていた人工照明

ということだ。

地底人とアイガ人

「多くの命が空へと落ち、落下を免れた僅かな者たちは、地上の生活を捨て地下に潜る。事故を免れた研究者もその罪を背負い、生者を見守り続ける任に就いた。」

これは地底人の長がジイに残した遺言である。(イザムラの側近も知っていたようだが、理由は不明)

この伝承から、「地底人はアイガ人を見守っていた」ということが分かる。

「事故を免れた研究者」は「地底人」のことを指しており、「落下を免れた僅かな者たち」や「生者」は「アイガ人」を指している。この伝承から分かることは、重力実験をしていた研究者は地下に居て、重力反転の影響は免れたが、地上で暮らしていた多くの者たちは重力反転の影響を受け、空へ落ちてしまったということだ。このため、地底人は地上で暮せるにも関わらず、罪の意識からアイガ人と同じ地下で暮らし、見守っていた。中盤で登場した人工照明は、地底で暮らすアイガ人のために地底人が作ったものだろう。

昔は管理棟を通じてアイガ人と地底人に交流があったそうだが、原因不明で長い間なくなってしまった。自分はアイガ人の方から交流を断ちたいと言ったのではないかと推測する。

ジイのセリフに「かつて長が言うておった。過去を忘れることでアイガ人は生きていけるのだと。」というものがある。恐らくアイガ人は地底人との交流を絶つことで、罪もない自分たちが地下で暮らさざるを得ないという事実から逃れられると考えたのだろう。地底人たちが憎かったのもあると思う。地底人も自分たちの罪によってこうなってしまったため、要求を受けざるを得なかった。

やがて時が経ち、アイガ人は自分たちの住む世界こそが本当の世界なのだと信じるようになる。「空」が人工照明によって作って作られた偽物だということを隠すために「空はかつての罪人たちが落ちた場所であるため見てはいけない」と伝え、興味を持つことは罪であるとした。自分たちの住む世界の小ささを隠すために、柵の外へ出ることを禁じた(荒野が広がっていると言っていた)。自分たちから見て逆さまである地底人を「かつて人が空に食われた」という事実と合わせることで、「アイガ人は重力逆転の影響を受けなかった真っ当な人類であり、空に落ちていった悪魔の末裔が地底人」という考えが出来上がってしまったのではないだろうか。

一方、交流を絶った後の地底人はというと、自分たちを憎んでいるであろうアイガ人が襲ってくる可能性を危惧し、管理棟への立ち入りを禁じ、厳しい掟を作って地下に篭る生活を送っていたと考えられる。

そしていつしかアイガ人は地底人を空に食われた過去の存在とし、地底人はアイガ人を「コウモリ人間」という言い伝えの存在にしてしまった。

最後の手紙

ところで、物語の最後に出てきた手紙について、疑問を持っている方が多いだろう。一見すると意味不明な文字の羅列に見えるが、なんとこの暗号を解いた方が。下のURLにて全文掲載されている。

https://ameblo.jp/gstring/entry-11834713917.html

つまり、「重力逆転の原因は不明で、その影響を受けなかった地球の反対側に我々は移住し、修復の研究をしている。(重力逆転の影響を受けた)人々は生きているので、この真実を全地球上の人々に知ってもらいたい。」こんなところだろう。この手紙にアイガの紋章とは逆さまになった紋章が押されている。アイガの反対は地底人なので、これは地底人の書いた手紙ということだ。

このことから考えられるのは、重力逆転の影響を受けた人々はみんな空に落ちてしまったと思われているようだ。この手紙が実際にコピーされて広められたかどうかは描写されていない。

エイジの父とラゴスの想い

この手紙を所持していたのはラゴスだ。恐らく地底を捜索している時に見つけたのだろう。

ラゴスはこの手紙を解読できていたのかは定かではない。むしろなぜ「全人類に知ってほしい」と謳っておきながら、こんな暗号のような難解な文字にしたのだろうか。

ラゴスはアイガ人との仲を取り戻すのが夢だった。作中のパテマの回想(夢?)にこんなラゴスのセリフがある。

僕には夢があった。だからアイガに行った。だが叶えることは出来なかった。だから、それを大事な人に託したんだよ。」

これは実際にラゴスが放ったセリフではないが、想いであったことは確かだ。この「大事な人」とはパテマか、あるいは自分のようなアイガ人との仲を取り戻したいという想いを継ぐ者、だったのかもしれない。

エイジの父はずっと「空」の先へ行ってみたいという憧れを抱いていた。「空」は一体どこまで広がっているのだろうと、一度は思ったことのある人は多いのではないだろうか。だがアイガ人の言い伝えで「空」に興味を持つことは禁じられている。

そんなある日、地底から来たラゴスと出会う。

エイジの父とラゴスは意気投合し、ラゴスはエイジの父の「夢」を手伝いたいと思った。ラゴスもこの世界がどこまで広がっているのか知りたかったのだろう。だが完成した乗り物に乗って空を目指したエイジの父は、イザムラの側近によって事故に見せかけて射殺され、ラゴスも治安警察によって捕まってしまう。これによりイザムラが地底人の存在を知ることになり、地底人を支配しようと目論む。ラゴスの夢は叶わなかったのだ。

これからの地底人とアイガ人

ラゴスとエイジの父の想いはパテマとエイジに託された。

真実が明るみになったことで、地底人とアイガ人の関係性は変わるだろう。

パテマとエイジのように、お互いを支え合う関係になってくれる。そう思わせる終わり方だった。

地底人とアイガ人の名前について

最後に、自分が考察しているうちに気がついたことがある。それはキャラクターの名前と外見だ。

  • 地底人:パテマ、ポルタ、ラゴス
  • アイガ人:エイジ、イザムラ

比べると、明らかに人種が異なる。地底人は髪の色も瞳の色も色素が薄く白人っぽく見え、アイガ人はどことなく外見が日本人に見える。

最後の手紙の中に緯度と経度を示した文章があるが、調べると「福岡県」にあたる。手紙の内容から、事故の影響を免れた研究者たちは、「地球の軸の裏側」から移り住んできたと取れる。福岡県の反対側の場所は「南アメリカ」にあたる。

地底人は南アメリカ人ではないかと推測できる。

自分の推測だが、重力反転の影響を受けていないと思われる福岡県に研究者はたどり着いたが、この地域も重力反転の影響を受けていた。だが、生き残った者たちが存在していたため、重力反転の研究をやめて彼らを保護する任に就いたのではないだろうか。

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世界観の面白さ

豊かな発想力劇場版アニメ「サカサマのパテマ」という作品からは、原作者の発想の豊かさを感じられます。なかなか重力が逆に作用するという発想ができるものではありません。そして、重力を逆に作用させることで、アニメーションとしても面白い映像と世界観を描き切っているように思えます。空に落ちる、なんて考えもしないことを考える機会になりました。どんな理屈なのか、明確にされることはありませんでした。しかし、それはそれで無理矢理に当てはめた理由付けにしかなりません。それよりも、重力が逆に作用することにより面白い世界観を描きたかったのだと思います。同じような重さの人間が抱き合うことで、重力が中和される様子や、天井を歩くという一般的な考え方、捉え方では理解できない感覚を想像するだけで面白かったアニメ作品だと思います。ただし、劇場版アニメとして、それだけで約90分の本編時間を制作するには、無理があったように感じ...この感想を読む

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