クジラの子らは砂上に歌うの評価
クジラの子らは砂上に歌うの感想
圧倒される世界の中でも動機はシンプル
砂の海の上を漂う泥クジラこの漫画のすごいところは、なんといってもこの練りに練られた世界観。泥クジラの存在が何とも異質で、外の世界に何があるのかに恋い焦がれながら、隔絶された場所の中で彼らは彼らなりの“幸せの時間”をつむいできた。物語が進行するにつれ、それがわかるから…苦しいんだよね。知らなければよかったかもしれない。でも、真実を知ったからこそつかむものもあるかもしれない…。ヌースに支配されることなく、人が強く生きていくことのできる道が…。小さな島で暮らす住人はたったの500人ほど。それでも、100年近くもの時間孤立し漂流してきた中で、確実に子孫を増やしてきたんだよね。本当はもっと少ない人数だったかもしれない。印の者たちは若くして死ぬけれど、早いうちに子を設けたりしたんだろう。無印の者たちもまた、島の人々のささやかな日々を、ずっと見守ってきたんだと思う。島の外には何が広がっているんだろう。違う...この感想を読む
一番の作品
目を惹く美しい表紙とそれに負けない内容私はよくジャケ買いというものをします。単行本を買おうと思った際に表紙や帯部分、作品名などでこれは綺麗だな、かっこいいなと思ったものをよく手にとります。ですがよくあるのは表紙は好みで買ってみても中を読んでみたら自分の好み、自分が想像していたものと違うということがよくあります。実際今まで何個もそういったことがありました。ですが、この作品は表紙も美しいことながら、背景など全てにこだわったイラスト、他にない凝った内容、キャラクターの個性など、全てが表紙に負けてしまわないものでした。細かすぎる絵は綺麗ではありますがたまに漫画としては読みづらいことがあります。ですがこの作品に関しては違うように感じました。背景、服やキャラクターの表情、全て細かに描かれているにも関わらず、読みづらいと感じたことがありませんでした。ここまで綺麗で読みやすく、私の好みにあったファンタ...この感想を読む