蝉しぐれの評価
蝉しぐれについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際にドラマを観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
蝉しぐれの感想
ドラマ版「蝉しぐれ」の愛と余韻と
子供の頃に見た景色というのは綺麗である上に、見た人というのは美しい。心から愛する人の記憶なら、いっそう胸に残る。文四郎の秘めた恋文四郎は、一見どこにでもいるような普通の青年で、剣の達人。海坂藩という架空の藩で、剣の修行に励み、やがて城下一の剣士にもなる。道場の師匠から、秘剣の伝授を受け、奥義伝承者にもなる凄腕。しかし、藩内の2大派閥の争いに巻き込まれ、父親は処罰され、反逆者の烙印を押されて全てを失ってしまう。文四郎はおよそ恋とは無縁の人間。昔の武士はそういういうものだし、もともと文四郎は剣士であるから色恋に浮かれるような人間でない。隣の家のふくをほのかに恋していたのだって、結婚相手としてゆくゆくはと考えていたためだと思う。義のために死した父親を尊敬し、彼も私情よりも義を優先する人間だった。それが、社会の落とし穴に陥り、父親を死罪にされ、世間の人の冷たい仕打ちに耐えねばならなかったとき、優...この感想を読む