スパイラル〜推理の絆〜の感想一覧
漫画「スパイラル〜推理の絆〜」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
己の意志を貫いた話
したいことをするということ14巻を初めて読んだときの衝撃を、今でも覚えている。いや、11巻辺りから驚いてはいたのだ。推理ものを読んでいたはずが、突然造物主だの救世主だのというファンタジーな単語が飛び出してきた。それでもあとがきを読んで、現実の宗教戦争とさして変わらないな、と結論を出して読み続けていた、さなかの突然の主人公クローン宣言。素で「は?」と声が出た。しかも結末が絶望的だ。これは大団円はありえない。それどころか絶望的な、どうしようもない終わり方だって十二分にある。思い切りがよすぎだし、よくガンガン編集部もGOを出したなあ、と思ったが、あとがきを読んで更に笑った。歩がクローンだって編集者にすら話してなかったんかい! それまでの実績があったから許されたことではあろうが、もはや一種のテロである。とまあこんな調子で、原作者はひたすらにこの作品の中で、したいことを貫き続けた。あとがきでも宣言して...この感想を読む
信じる者の幸福
本格推理と心理戦から学園コメディと人類の希望を考察できます物語は主人公の鳴海歩を中心に、月臣学園高等部などが舞台となっています。ブレードチルドレンといわれる存在や天才の兄との戦いを巡って物語が進んでいきます。構成としては、序盤が「推理マンガ」、中盤が「心理バトル」、11~15巻が「クローンや人類の起源」などテーマが変わっていきます。序盤の名探偵コナンや金田一少年〜みたいな事件、解決の展開から、ブレードチルドレンを巡る戦いに移っていくスピード感が面白いです。この作品以降、従来の事件から解決といった流れではなく「変わった推理物」が出てくることになるのですが、スパイラルが原点かもしれません。「推理物」と思って読むと予想を裏切られます。前半はそれなりに「推理物」ではありますが、ストーリーが進むと、推理対決、心理戦、頭脳戦、火器やライフルなどの銃撃戦にも発展していきます。カノン・ヒルベルト戦が面...この感想を読む
ブレードチルドレン
ガンガンで連載されていた城平京先生と水野英多先生による作品です。学園推理漫画といった感じで主人公は見た目はもちろん頭もよく事件に巻き込まれることの多い鳴海歩。天才的な存在として知られる鳴海清隆の弟であり、その才能も似ているが似ているからこそ清隆になにもかも奪われてきたことを悲観しています。推理漫画であるため警察なども出てきますが、あくまでも中心となるのは歩やその他の学生たちです。そのメインキャラたちも探偵など特殊な職業についているのではなく学生として、ある1つの事柄のために事件に関わってきます。淡々と事件を解決するのではなく、ブレードチルドレンというキーワードを元にした事件が次々と起こりそれを解決することが最終目的となります。コメディ要素もありつつ推理として楽しむこともできます。推理ものとして少し難しい部分もあるからこそ何回読んでも楽しむことができ、いくつになっていても読んでいたいなと思...この感想を読む
推理漫画。
1巻はまだまだ定番の型の推理漫画の流れなのでおもしろみはそれほどありませんが、巻を進めるごとにブレードチルドレンという呪われた子供たちが沢山出きて、次第に城平京先生らしい心理の読み合い?の展開になっていきます。心理戦というか、寧ろ読み合い。でもおもしろいですよ。この巻はまだ初めなのであれですが。しかしこの、水野英多先生のイラスト、とってもかわいいですよね!ものすっごく好きです。子供の頃すごく影響を受けてしまったイラストです。今見てもやっぱりかわいいなぁと思います。推理漫画なのに絵がかわいらしいのでこわい感じはないし、つっこみどころも多いけどそれでもおもしろいです。