天皇の料理番の感想一覧
ドラマ「天皇の料理番」についての感想が4件掲載中です。実際にドラマを観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
こんなに大変な仕事とは思いませんでした
後世に残したいドラマ私が初めてこのドラマを知ったのは、今から37年前の1980年の事でした。当時まだ5歳の私でしたが、後に再放送で見ていました。主役は堺正章さんで、実際の戦争のシーンが挿入されるというドキュメンタリー要素も印象的でした。ナレーションには『男はつらいよ』でお馴染みの渥美清さんという豪華さで、当時もかなり力の入った作品だという事が分かります。出演者の中には明石家さんまさんも出ていました。当時はまだ大阪での活躍が多かったさんまさんですが、この作品で役者として全国区に知られる事になったそうです。堺正章さんとの漫才のようなやりとりが楽しかったのを覚えています。その後も高嶋政伸さんが主演され、2015年に佐藤健さんが主演となり再びリメイクされました。天皇陛下の料理番をされていた方のお話にももちろん興味はありますが、明治から大正、そして昭和へと移り行く世の中を後世に残すという意味でもこの作品はず...この感想を読む
人のために生きる
人生の目的佐藤健さん演じる秋山篤蔵は、カツレツを食べたことに衝撃を受けて、それからこっそり料理を習うようになりました。このことが人生の転機となって人生の目的を見つけましたが、兄の周太郎も日本大学の法学科に通っており、司法の道を志していましたし、後の妻俊子も結婚後産婆の道を歩みます。また、桐谷健太さん演じる松井新太郎は絵の道を志していたり、とこのドラマでは皆、人生の、生きる目的をはっきりと持っており、それの為に一生懸命です。私もその一人でしたが、将来何をしたらいいのかわからない、夢がない、何の為に生きているのかわからないという人は少なくないと思います。そういった人にとって、このドラマに出てくる人たちはどんなに辛い道であろうともとても魅力的で、かつ羨ましく、逞しく映ります。学歴だけじゃない、やりたいことを懸命にやることこそが重要なのだと伝えてくれる作品です。人の為に生きるまた、このドラマに...この感想を読む
周囲の愛に包まれて、一つの道を極めた男の生き方
一人の男のただひたすらまっすぐな人生何をしても長続きせず、厄介者として親も手を焼いていた人間が、一口のカツレツに感動し、その道を極め、ついには天皇の料理番にまで上り詰めた話である。大正昭和を宮内省厨司長として勤め上げた男の史実に基づいたフィクションだ。目標を見つけてからそれを極めるためにあらゆる苦労をものともしない。ひたすらまっすぐ前を見続ける様は見ていて壮観で、尊敬を感じる。そしてそこには愛も描かれる。全ての場面において涙なしでは見られなかった。優秀な長男と比べられ、誰からも相手にされなかった人間が、ここまでのし上がるとは当時の人々は思わなかっただろう。だが、なりふりかまわぬその言動は、本人からしてみればただ自分がやりたいようにやっただけのような気がしてならない。まっすぐと前を向き、それにつき進む大切さを現代の人たちに伝えてくれる演出と、気迫のこもった演技だった。夫婦としての絆が物語...この感想を読む
泣けるドラマ
このドラマは、当時シェフという仕事がまだ定着しておらず、イタリアン料理など他の国の料理もまだ広まっていない時代のお話ですが、当時の時代背景を細かく再現、演出できており、見ているうちにその時代に飲み込まれてしまうようなドラマです。だめだめでみんなにバカにされていた1人の男が、自分のため、家族のため、妻のため、そして…料理を食べるみんな、天皇のために人生の全てを料理に捧げているという気持ちが演技や演出、音楽すべてから伝わってきて、気づいたらたくさんの涙が流れる作品となっています! 主人公がどんどん成長していく姿をみて、だめなやつでも努力次第では日本の頂点に立てる!夢は叶えることができる!という勇気をもらえることができます。また、料理をして成長していく主人公を見ていくだけでなく、恋の難しさや家族のありがたみなどを再確認できる部分もあり、とてもためになる作品でもあります。その他にも、難しい人間関...この感想を読む