エルマーと16ぴきのりゅうの感想一覧
ルース・スタイルス・ガネットによる小説「エルマーと16ぴきのりゅう」についての感想が6件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
最後
心に残る物語。子供向け作品だからか、力を合わせる素晴らしさや知恵と工夫で乗り越えるかっこよさが描かれている。子どもがいたらプレゼントしたい本。友達のりゅうと、その家族を助けにいくという物語。いろんな試練があるけど、ちゃんと乗り越えて、助ける。こんなりゅうがいたらいいなあと思う。りゅうにのって旅をしてみたい。ところどころ、くすっと笑えるようなほほえましい描写もある。子どもに戻ったような気持ちになれる。仕事でつかれているときや、いやな事があったとき、心がすさんでいるときに読みたい。そんなに長い話ではないのでさくっと読めるのも魅力。
登場人物の名前が面白い
長男はエレベーターが大好きなのですが、主人公エルマーの名前は、エルマー、エレベーターでとても喜びました。りゅうの名前にバーサというのがあるのですが聞き間違えて「おばあさんのりゅうが居るの?」と訊いてきたりと、読んでいて面白かったです。りゅうの背中に乗って冒険するのもかっこいいし、りゅう(友達)のために知恵を絞って計画を進めていくのもかっこいいし、エルマーはかっこいいです。名前が面白いと書きましたが、地名も面白いです。子供たちのお気に入りは、ごびごび砂漠です。登場人物で私自身は、ワゴンさんが結構好きです。一生懸命すぎて空振りしてるのが面白い。
さよなら、エルマー
困ったとき、頼りにできる存在があることの心強さ。手放しで誰かのことを信じられるって素敵ですね。頼られた側が、当たり前に手助けできることも。だってエルマーだって人間なのに! そんなことはりゅうは気にもかけず、人間に困らされても、頼るならその相手はエルマーだった。今回もエルマーは良い働きをします。ほんと信頼って実績を積んでこそ得られるんだなと思うと、頑張ろうという気持ちを貰えました。それにしてもシリーズ通して感じるバランスの良さ。さくっと読める、そこそこ薄めが3冊。大長編じゃないのが逆に良かった作品だなと思いました。でもエルマーの活躍する冒険自体はもっと読みたい!かといって物足りないことのない満足感。最終巻は特にりゅうの名前もわかったし、読後感も良かったです。(ワゴンさんの奥さんだけちょっと不憫気味というか、でもあれはあれで救いがないわけではない気がします)この感想を読む
最終巻
エルマーシリーズ完結作。今回はりゅうの名前(ボリス)もやっと出てきたし、他にもりゅうにたくさんの家族がいたことも発覚した巻。今までのストーリーの完結編としてふさわしい出来だなぁと思います。ボリスの家族たちが、一匹ずつ違う模様だったのがよかったなぁ。色んなりゅうを見てるって感じがして。今回は捕まえられたボリスの家族をエルマーが救出に向かう話。エルマーはここでも頭を使って工夫して、見事りゅうの家族を助け出します。最後、ボリスとエルマーの別れはなんだか悲しかったなぁ。ボリスとエルマーの別れは、エルマーは夢と分かれて大人になっていく、ってことかな。名作だったなぁと思います。
冒険の最後
語り手の父、エルマー・エレベーター氏が子供のころの冒険談として語られてきたシリーズ、最終章です。誰も傷つけることなくすすんできた冒険、ここにきていよいよ犠牲者が??という設定にハラハラするかもしれません。そしてやっぱり試練を乗り切る鍵は、みんなの知恵と工夫とやる気、というところにほっこりとします。ほんのチョイ役で登場する農場主、固ゆで卵の好きなワゴンさんもいい味だしてます。ごくごく小さな部分まで丁寧に書き込まれた物語は、一度読めばずっと心に残ること間違いありません。シリーズとおして挿絵もきれいで素敵です。読み聞かせ・自分で本を読み始めた幼い子供・大人にだっておススメできる1作です。
エルマーとりゅうの兄弟たち
前二作で冒険を果たしてエルマーとりゅうのボリスは自分の家族のところに帰っていました。しかしボリスの兄弟たちは悪い人間のハンターたちに、洞穴に閉じ込められています。捕獲してサーカスや動物園に売られようとしている状態でした。困ったボリスは再びエルマーに助けを求め、エルマーとともにハンターと戦います。まだ少年のエルマーが、再び知恵と勇気を振り絞って大の大人たち相手に奮闘します。また最初のボリスが家に帰る時に、人間に見られてしまって人間の男が銃をもってつかまえようとどたばたするシーンも面白いですし、ボリスの兄弟りゅうたちは愛らしく、カラフルです。愛と勇気をもって友達のりゅうが困っているのを助けようとするエルマー。個人的にはこの第三作は第一作と並ぶ出来の良さだと思います。もう一度エルマーとりゅうの冒険を読みたい人にはおすすめです。