イン ザ・ミソスープの評価
イン ザ・ミソスープについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
イン ザ・ミソスープの感想
インザ・ミソスープというキーワードに隠された外国人と日本人の違い
この作品は村上龍作品に共通するテーマがもっともよく現れている村上龍作品にはいつも共通しているテーマが描かれています。暴力について、社会について、日本が抱える問題についてなど。アプローチの方法は様々ですが、インザ・ミソスープには、作者の描きたいテーマがはっきりと描かれています。主人公のケンジは外国人相手に風俗ガイドの仕事をしている青年です。ケンジはアメリカ人のフランクを客として案内しているうちに、彼の異常性に気づいていきます。フランクは人を殺しまくる狂った人間です。ですが、村上龍が描きたいテーマは殺人の異常性ではありません。重要なのはこの作品のフランクがアメリカ人であるということでしょう。ここから見えてくるのは日本の純文学が抱えている闇です。日本の純文学とは村上春樹と並んで日本の代表的な純文学作家と評価されている村上龍。近代の純文学は明治維新以後に始まったとされ、村上龍も太宰治や夏目漱石...この感想を読む