前世が被害者、あるいは犯人だと知ったら…?
脚本自体はすごく気に入ってる作品になります。 ただし、キャストの選択に不満があります。 『四国』や『呪怨』でイメージぴったりの素晴らしい演技をしてくれた栗山千明さん、『富江』で恐ろしい美女役をした菅野美穂さんなんかはまさに適役で、彼女たちしかできない役だと思います。 『リング』なんかはこれまでにシリーズ20人が山村貞子を演じており、それぞれ違った貞子の印象を与えています。いい意味でも悪い意味でも。 失敗例としては、貴志祐介さんの大作『青の炎』の映画化。個人的にすごく期待したのですが、ヒロイン役が松浦亜弥で演技力に問題があり、頂けなかったです。 長くなりましたが、本作の優香もその失敗例にあたるかなと思います。 評価してる方も多いですが、他に適役はいたと思います。 もちろん個人を否定しているのではなく、ホラーに必要ない女優ということです。 ストーリーを簡単にいうと、群馬のホテルで11人が惨殺される事件が起こり、動機不明のまま犯人の大森も死を遂げるところから始まります。 35年後に、この事件がテーマの映画製作をするのですが、このヒロインに優香が抜擢されます。しかし優香は撮影までの間、ずっと謎の少女の幻覚に悩まされます。 そしていざ撮影となったのですが、その際に35年前の事件がフラッシュバックし、優香は自分が犯人の生まれ変わりであることに気付きます。 そして精神崩壊した優香は精神病院に入れられてしまうという話です。 前世が殺人犯と知ったらそれはショックでしょうが、言ってしまえばそれだけです。 前世が被害者だったら、自分までしななきゃいけない運命なんです。 どっちか嫌でしょうか? 優香の精神破綻には納得いきません。ということで低評価。 とはいえ、今日低迷している同監督の『呪怨』シリーズに比べれば全然いい作品です。
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