健康について考えさせられる - 体脂肪計タニタの社員食堂の感想

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体脂肪計タニタの社員食堂

4.254.25
映像
4.45
脚本
4.50
キャスト
4.50
音楽
4.50
演出
4.40
感想数
2
観た人
3

健康について考えさせられる

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

「体脂肪計タニタの社員食堂」はこんな作品

この作品は、世界で初めて体脂肪計を作った、株式会社タニタの実話を元に作られた作品です。
経営が傾き、まさに崖っぷちのタニタ。起死回生を狙う新製品、体脂肪計のお披露目に向け、社員のダイエットが企画されます。
体脂肪40%越えの四人の社員と、管理栄養士菜々子の、七転八倒のダイエット作戦が幕を開けます。

作風は明るく、楽しく見られる雰囲気です。
ダイエットのやり方をとても詳細に語る、ハウツー的な面白さもあり、崖っぷちに立たされたキャラクター達の奮闘ありの、見所が沢山ある内容となっていました。

非常にテンポよくストーリーが進むので、楽しく視聴することができました。


ダイエットの極意、教えます


この作品では、菜々子の「ダイエットの極意、教えてあげようか?」というセリフの通り、健康的に痩せるためのプロセスや、ダイエットをしている人が陥りやすい失敗例などが、とても詳しく描かれています。

昨今、炭水化物を抜くダイエットが注目されていますけど、菜々子に言わせればそれはダメなやり方みたいですね。

何かを抜く、もしくは何かだけを食べ続けるダイエットでは、健康を損なう恐れがある、ということらしいです。

菜々子は栄養も取れ、かつカロリーを押さえられるよう、調理法を工夫するなどして、きちんとしたカロリー計算をするダイエットを提唱します。

私はタニタ食堂のメニューを見るのは、映画が初めてなのですが、普通の定食とあまり変わらないボリュームなので、ビックリしました。

また、それを一食一食カロリー計算して提供しているという意識の高さ。
これは本当に実在する社食の話ですからね。映像で見ると、本当にビックリします。

素人にはカロリー計算の時点でお手上げな方法ですが、タニタ食堂のレシピ本も出ているので、それをもとに家庭でもダイエットメニューを作れるとのこと。

これは、体重を落としたい人が見たら、体脂肪計もレシピ本も欲しくなってしまう内容だなあと思いました。

ダイエットをしている人には、とても参考になる内容だと思います。
私も食事制限している時に見たかったです。


テーマに共感!健康的な体になるということ


この作品は、体脂肪を落とすことがテーマではありますが、決して太っていることがカッコ悪いから痩せよう、という安直な考えを掲げているわけではありません。

肥満は病気の元。肥満から来る様々な体調不良についても言及しています。
例えば、動脈硬化や糖尿病、睡眠時無呼吸症候群など、肥満が重篤な病気の原因になることを、この作品はさりげなく描写しています。

また、登場人物の一人は、糖尿病の症状であるEDを患い、それが原因で離婚されてしまいます。

このように、この作品は単に見た目の問題ではなく、不健康に太っていることの二次被害、三次被害までも描いており、健康を取り戻すことを啓発しているのです。

これはタニタが社訓に掲げている、「世界から肥満をなくそう」というモットーに基づいているのでしょう。

この作品の登場人物のほとんどが、病気に対して知識がないのと同様に、同じような境遇の人もいるかもしれません。

そういう人には、意識を変えるきっかけになる作品かもしれません。



自分を変えたい全ての人へ


また、この作品では、しばしば登場人物の自分に甘い言動が見られます。
特に副社長の谷田は、何事もすぐに諦めてしまい、何もやり通せないような性格です。

ダイエット中にも、ついつい自分に言い訳を用意して、つまみ食いをしてしまう所もあります。

でもそういう人って、結構いると想うんですよね。自分を変えたいんだけど、ウジウジしている人。

そういう人は、この作品を見ると元気をもらえるんじゃないかな、と思いました。

でも、最後の最後で谷田は覚醒します。
もう、気弱でウジウジしていた谷田が、根性を見せていると思うとね。

この作品は、泣ける映画として作っていないと思いますし、泣くところじゃないんでしょうけど、もう私は泣いてしまって。

谷田を演じている浜野謙太さんの演技が、とてもいいんですよね。
もう、一生懸命なのが伝わってきてね。
序盤からダメなヤツなんですよ。もうずっとダメなヤツだから余計に泣けて。

この作品は、崖っぷちの人々の奮闘を描いている部分が、本当に熱くて、「がんばれ、がんばれ」と見ていて応援したくなってしまうんですよね。

ダイエットをしている人々だけでなく、菜々子もまた就職面接を何度も失敗している崖っぷちの人。

初めは職場の人とうまくいかいのですが、だんだんと受け入れられ、食堂の様子も変わっていくんですよね。

その向上している感じが、また感動的なんですよ。

最後には、ダイエットのPRのおかげで体脂肪計がバカ売れ。会社も持ち直すという、最高のハッピーエンド。
また矢野顕子さんのエンディングが良くて、泣けてしまいました。


涙腺の弱い人は、私のように泣いてしまうかもしれません。

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食堂が舞台の映画の中で

純粋に食べ物と食欲に焦点が当たっている映画は意外に少ないのではないでしょうか。「かもめ食堂」「食堂かたつむり」「The焼肉ムービー プルコギ」「しあわせのレシピ」「のんちゃんのり弁」「南極料理人」…もっと沢山あるでしょう。大方は、その食堂の料理人やお店、それにまつわる物語がテーマだと思います。けれどタニタ食堂は、食欲!肥満!カロリー!ダイエット!…のために食堂がありますね。だからでしょうか、食欲からくる苦しみとの闘いとそれを乗り越えてダイエットの目標を達成する達成感というシンプルな軸を基に主人公たちが頑張り、泣いたり笑ったり、単純に面白いのです。主人公の副社長を見ているだけでも安らぎます。食堂の2人のお姉さま方の潔い感じもステキじゃないですか。そして食堂を変えた張本人役の優香さんがサバッとしていてカッコよかったのです。食べ物を作る映像は本能的に人をハッピーにし元気をくれます。料理番組ではない...この感想を読む

4.54.5
  • クーラケイティクーラケイティ
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  • 566文字

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