やべきょうすけさんをどんどん好きになる
「クローズZERO」を視聴した感想です。
私は芹沢多摩男役の山田孝之さんのファンなので、この作品を視聴しました。
原作のクローズは読んだことがないですし、多分自分で買いたいと思うマンガではありません。
しかし、作品の最初から最後まで楽しめました。笑いあり、アクションあり、友情ありで、観た人が皆楽しめるエンターテイメント作品になっていたと思います。
「鈴蘭のテッペンを取る」という野望を掲げ、問題児の巣窟、鈴蘭高校では幾つものグループがしのぎを削っていた。
最強の男を決める戦いが、幕を開ける。
この単純明快なストーリーは、皆が頭を空っぽにして楽しめると思いました。
また、ケンカのシーンばかりでギスギスした内容をイメージしていたのですが、蓋を開けてみれば、全くそんなことはなかったですね。
まず主人公の滝谷ゲンジと芹沢多摩男が明るいキャラクターで、見ていて親しみやすく、気持ちがよかったです。
二人はケンカが強いですが、暴力で人を服従させたり、面白半分に殴ったりするような性格ではありません。
ケンカは強いですが、ゲンジは不器用で人の良いところがあり、かわいい青年という感じがします。
多摩男は破天荒な性格ではありますが、友情に厚く、どこか間抜けな面もある、親しみやすいキャラクターです。
この二人が主軸になっているので、アクション作品ではありながら、怖いとか、ギスギスした雰囲気はありません。
山田孝之さんと小栗旬さんが、思春期の高校生をそのまま演じているかのようで、本当に「高校生間のケンカの話」に見え、青春映画を観ているような感覚がありました。
泥臭いのに、爽やかさも感じられたと思います。
ケンカのシーンでも、血が大量に出たりだとか、グロテスクなシーンは無いので、その辺りも安心しました。
アクション映画というと、殴り合いのシーンがほとんどのようなイメージを持ってしまいますが、意外とクローズではケンカのシーンは少ないです。
ケンカ以外の要素が大部分を占めており、立ち回りのシーンはほとんど後半の数十分だけです。
私はアクションシーンが続くと飽きてくる質なので、そういった構成も良かったと思いました。
アクション映画の痛々しさや、緊張感の苦手な人にも楽しめる映画だと思いました。
やべきょうすけさんのコメディシーンに爆笑!
また、コメディシーンも想像よりかなり沢山ありました。
特に牧瀬を仲間に引き入れる際、「あいつはマジで女にモテません」「じゃあ女を紹介しよう」と、ケンカ意外の方法で解決しようとするくだりは、笑いっぱなしでした。
ナンパに失敗し、最後には子連れの女性に土下座するケンさん。
やっと開いた合コンは、地獄のような展開に…。
もうずっと笑いっぱなしでしたし、最後ゲンジと牧瀬に友情が生まれるのも、見ていてほっこりしました。
ケンさんを演じたやべきょうすけさんは、ものすごい弾けた演技をしていて、本当に演技が上手いんだなあと思いました。
闇金ウシジマくんシリーズで、やべさんの事はなんとなく知っていましたが、この作品を見て、本格的に好きになりました。
ゲンジと芹沢が二人とも良かった
主演の小栗旬さんは、ゲンジのケンカは強いが不器用で根は優しい性格を、良く表現されていたと思います。
ちょっとはにかんだ顔や、罰の悪そうな顔が、十代の青年そのままのようで、その辺りの再現率もすごいと思いました。
ケンカでのし上がっていくとう、女性の観客には取っつきにくさのあるテーマですが、ゲンジのキャラクターがキャッチーなので、大分見やすくなっていると思います。
また、芹沢多摩男を演じた山田孝之さんは、鈴蘭で最強の男にも関わらず、全く不良然としていない多摩男像を、見事に作り上げていたと思います。
色々な役を演じる山田孝之さん。
悪党に類する役も演じる事がありますが、多摩男は性根が腐っていない感じがしますね。
やっぱり、そういった本質的なところが見えるのは、人物の目だと思います。
例えば、山田さんは「その夜の侍」という作品の中で、人を殺しても何とも思わない極悪人を演じていますが、多摩男とは全然目付きが違います。
死んだような、挑むような目付きをしていました。
また、「闇金ウシジマくん」でも、アンダーグラウンドで債権者から搾取する、アンチヒーローの主人公「牛嶋馨」を山田さんは演じていますが、牛嶋は常に目に緊張感を漂わせており、やはり多摩男とは違う感じがします。
多摩男はケンカ、タバコ、賭けマージャンなど、不良高校生そのままの生活態度ではありますが、勝ち気さと素直さが目に宿っているように見えました。
バカだけと、悪いやつではない、という感じですね。
実際、多摩男は友情を大切にしたり、仲間が勝手に女の子を拐ってゲンジを誘きだそうとした時には、「お前自分が何やったのか分かってるのか?取り返しのつかないことをしたんだぞ」と叱咤するなど、正しい倫理観を持ち合わせています。
そういった外見からは分からない、本質の部分を、山田さんは目で表現していると思います。
多摩男、好感が持てました。
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