女性の強さ感じられるストーリー - バラ色の聖戦の感想

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漫画レビュー数 3,136件

バラ色の聖戦

4.504.50
画力
4.33
ストーリー
4.50
キャラクター
4.17
設定
4.33
演出
4.33
感想数
3
読んだ人
3

女性の強さ感じられるストーリー

4.54.5
画力
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.0
設定
3.5
演出
3.5

目次

モデルになりたい主婦

この漫画は、ある家庭の主婦が雑誌モデルになりたい、という突拍子もない夢を突然持ち、家庭と仕事の両立をしてきれいになろうと、有名になろうと頑張っていくストーリーです。
きれいになりたいと思ったきっかけは、まさかの旦那の浮気でした。しかも披露宴の仲人をやろうとしていた旦那会社の後輩の女です。妻としてプライドをどれだけ傷つけられたか、そしてきれいになって絶対にぎゃふんと言わせてやる、と誰もが思うことですが、実際にダイエットのモニターに応募したり、本当にダイエットをし始める行動力はとてもふつうではできないことなので、心動かされます。
手のかかる子供が二人いて、家事育児の分担に理解のない仕事優先の旦那を持つ主人公の家庭は、ある意味、日本の古い亭主関白家庭であり、窮屈な印象を持つ人もいれば、妻が外で働きにでなくても普通に生活ができるので、今の共働きが当たり前の時代の中では、経済的にうらやましい家庭ともいえます。その一方で自分が本当に好きなことを制限されたり、夫にもう少しこうしてほしい、という意見を堂々と言えないので、この生活の中で自分らしさをだんだんと失っていく感じがこの主人公にとっては耐えられないことでした。漫画の中で、ベランダの柵が鳥かごの中にいるように錯覚して絶望感を感じているところがまさにそうです。
離婚をしてでも、自分が輝ける場所にいく、という強い信念を持ち、自立していこうとする姿勢は、母親としての愛情と強さも子供に伝わり、子供たちの理解と協力を得ていきます。
問題は、主婦だったので自分の稼ぎがなく、モデルの仕事だけで食べていくことはできないことです。
職業柄、いつ仕事がくるかわからないので定職につけないという、難しい問題をどのように解決していくかがあまり出てこなかったのがあまり現実味がありませんでした。

嫉妬からくるいじめにも

モデルになってからもライバルに陰湿ないじめを受けたり、親友がそのライバルのせいで死んでしまったり、様々な逆境が主人公を待ち受けていますが、それらをひとつひとつ乗り越え、だんだんと強く、モデルとして有名になっていきます。子供の学校のママ友からの嫉妬からくるいじめにも合います。しかし、まっすぐな主人公の性格により解決していきます。
その強さは、シングルマザーとして子供たちをどんなことからも守るという強さからきているものだと思います。結婚、離婚、出産と、女として一通りの経験をしたからこそ、強くなれるのだ、人生には無意味な経験なんてなと、この漫画は教えているのだと思います。
そして、どこにいっても自分たちと同じ人種、または下に見ていた人が実は有名人だった、有名になっていったということに嫉妬して、疎ましく思う人はいます。でもそれでも気持ちをきちんと伝えて誠実に向き合えば、きっと気持ちは伝わるのだ、という人間関係もこの漫画の見どころです。
この主人公の強い精神力は、弱っているときに読むと心強く感じます。身近でつらいことがあっても、自分も頑張ろうと思えるのです。
この漫画を描いた作者の、ほかの漫画もこのように精神的な強さを持つ、もしくは強くなっていくキャラクターがよく出てきますが、この漫画はどこにでもいる主婦、という設定がとても心惹かれるところです。

女はみんなチャンスがある

そして、もう一つ、この漫画を読んでいて感じたことは、女性はきれいになろうという気持ちと努力次第で、年は関係なくいくらでもきれいになれるのだ、という前向きな気持ちです。漫画の中でも、主人公の尊敬して憧れているモデルの先輩が、「女性はいくつになっても薔薇をまとう」というセリフを
いうのですが、本当にその通りだなと思わされます。自分は子供もいるし、なんていう言い訳はせずに、できることを全力で頑張る、そして絶対にきれいになってやる、という気持ちが何よりも
大切なことなのだと伝えています。この主人公のきれいになりたい、と思ったきっかけが旦那で、それがきっかけで結局自分の生きる道を見つけてしまったわけですが、なにがきっかけであろうと、思い立ったが吉日で、そのチャンスを逃してはいけないのだと思いました。そして、それを邪魔する人には嫌悪感を抱き、あんなに愛していたであろう旦那さんとも、子供がいても離婚してしまうのは、今の時代の女性が強くなってきた証拠だなと、思いました。
自分のことを犠牲にして家庭を守る、という考えはもう古く、母親も自分が好きなことをしていなければ、子供も幸せではないのだ、という考えです。少し前の時代ではあまり考えられないことです。子供のために離婚をしない、というのが少し前の社会の風潮だったと思いますが、この漫画を読んで女性もこうして強くなっていいのだな、と思えます。自分の進むべき道がわかったので、浮気をしてくれた旦那に感謝している、とむしろ主人公は考えていますが、こんなにも自分の好きなことが見つかるのもとてもうらやましく、もう年だから、と諦めずに新しいことに挑戦していきたいという気持ちにさせてくれる漫画です。

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4.04.0
  • ageha-choageha-cho
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  • 1185文字
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