怪盗、マジック、時々恋愛なファンシー少女漫画 - 怪盗セイント・テールの感想

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漫画レビュー数 3,135件

怪盗セイント・テール

4.504.50
画力
4.00
ストーリー
4.33
キャラクター
4.67
設定
4.33
演出
4.33
感想数
3
読んだ人
4

怪盗、マジック、時々恋愛なファンシー少女漫画

4.04.0
画力
3.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.0

目次

迷える子羊を救うかわいい怪盗

泥棒が主人公だけど正義っていうのが小学生向けにぴったりの少女マンガですね。

親友でシスターの聖良のもとに現れる依頼者のために自慢のマジックでかわいく目的のお宝を盗んでいくセイントテールに子供のころ憧れました。主人公の運動神経の良さも魅力の一つですね!いつの時代も運動が出来るって子供の憧れの的ですよね。似たような怪盗物の少女漫画が別の出版社からこの作品の後にもありましたがこちらが元祖でありファンタジー要素が強くて子供に抵抗なく読ませれるなと感じます。

「ワン・ツー・スリー」ってお決まりのマジックを披露する掛け声とともに毎回かわいくて素敵なマジックが繰り広げられ毎話の楽しみでもあります。中でも相棒(?)のルビィを使ったマジックが芽美らしくて可愛いですよね。マジシャンと怪盗の2つの顔をもつ芽美ですが母が怪盗、父がマジシャンってことでわかりやすい設定も好みです。

アスカJrとの恋模様

セイントテールを追うアスカJrとの恋愛の部分もどうなるのか毎話毎話楽しみですよね。

ずっと追いかけてるのになかなか捕まえられないアスカJr…。早く捕まえてほしいような、捕まえないでほしいような…。

私が芽美なら絶対正体すぐ言ってるだろうなって思います。ただの泥棒じゃなくて救ってるんだよって…。泥棒ってだけでセイントテールがアスカJrから嫌われていることが切ないです。芽美も早く言っちゃえばいいのにって読者はヤキモキしちゃいますよね。なんといっても両思いなのバレバレですからね。

この二人の数少ないシリアスっぽいシーンですが、主人公芽美がアイドルのオーディションを受けるはめになる話で、アスカJrが芽美に「アイドルなんてやめなさい」「俺が父さんならそう言う」ってセリフが印象的です。なんかそういう気持ちの伝え方もあるんだなぁって思いますね。少女漫画にはあんまりないパターンですよね。だからこそ印象に残るんでしょうけど。芽美の理想の人がお父さんだからこそ、このセリフは芽美に刺さったでしょうね。どこかおじさん臭いところのあるアスカJrなのでありがちな告白なんかじゃないこのセリフも抵抗なく受け入れられます。アイドルになって離れて行ってしまうのが嫌だという気持ちも伝わってきて大好きなシーンです。恋敵の高宮さんがかわいそうで高宮さんにも何か言ってあげてよってちょっと思ってしまいますが、それまで曖昧に気持ちを隠してきた二人の両思いなのが強くわかるシーンとなっていて一番の名場面かなと思います。

サブキャラも魅力的!

セイントテールを読むうえで欠かせない、親友聖良、佐渡君、高宮さんの3人も全員いい子で大好きです。最近の漫画は登場人物が多くて名前覚えるのも大変!なんてことも多いですがセイントテールは登場人物が少ないので一人ひとりのキャラクターがどのような人物かということが漫画を読めば深く知ることができます。

そのおかげで恋敵の高宮さんでさえ,最初は高飛車で好きじゃなくても読んでるうちに本当にアスカJrのことが好きなんだなぁと、応援したくなっちゃいます。

聖良はしっかり者で親友にしたいタイプ!初めて読んだころシスターって何?って感じでしたが今読んでも14歳で見習いシスターの設定ってすごいですよね。ありえないけど迷える子羊から一番に相談にのる重要キャラであり、神に身をささげたこの性格だからこそしっくりきます。

番外編の「聖良ちゃんと佐渡くん」ではこの二人の友達以上恋人未満な何とも言えない甘酸っぱい関係が描かれてますよね。佐渡君に聖良は個人的にはもったいないかなぁなんて思いますが、聖良に対しては他の子に対してよりも真剣そうな様子も描かれ、ちょっとチャラい佐渡君には聖良みたいな子がぴったりかもしれないなとも思えますね。

サブキャラもしっかりと話の中で素敵なエピソードがあるので感情移入しやすかったりしますので、サブを大事にしている漫画にハズレはないですよ。全キャラクターに魅力があるので読んでいて楽しめます。

イラストは好き嫌い分かれるかも

作者の立川恵先生の絵はいい意味でも悪い意味でも個性があります。

人物は顔をぷちゅっと上下からつぶしたような絵ですよね。よく言えばかわいい、悪く言えば子供っぽい…

私は最近の少女漫画の絵は個性が減ってるなあと嘆いている派なので立川恵先生のイラストは好きですし、マジックと怪盗の融合というファンタジー要素のあるこの作品にはこういうファンシーなイラストのテイストが合っているような気がします。リアルな漫画の内容にはリアルな絵の方が入り込みやすいと思いますが…。

イラストの好みが合えばこの作品のファンシーでかわいい部分に入り込みやすくてより楽しめますよね。

うれしいアニメ化も♪

人気少女漫画でアニメ化されましたね~!

悪い奴のお宝を盗みに行くという分かりやすいストーリーと、セイントテールを追う警察官の息子、アスカJrとのかわいい恋愛要素も小さい子から楽しめるしアニメ化されて嬉しかったです!

漫画の内容も怪盗漫画なので動きも多くスピーディな部分もありますからしゃべったり動いたりしているのが見れるのはアニメの醍醐味ですよね!

魔法に近いマジックですし、アニメで見ると余計に魔法感が強いので原作のマジックギリギリがいいって人はアニメで見てガッカリかもしれませんが女の子は魔法少女の類が無性に好きですからね~。多少原作を誇張してても許してしまいますね。やっぱりセイントテールがかわいいから…。

アニメの「主よ種も仕掛けもないことをお許しください」と唱え変身するのも、この設定ならではで斬新でオリジナリティーがって面白いと思います。

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「本当の自分」を救い出して&変身願望

「本当の自分」を見つけ出して(&受け入れて)ほしいという万人の願いこの作品、当時読んだときはもちろんそこまで、考え込むことができてなかったのですが(小学生とかだったので・・・)今改めて考えてみますと。誰しもが持つ、ペルソナ(=仮面)、役割としての自分(妻、とか母、とか子とか生徒とか先生とかいろいろ)や、タテマエ、自分でも無自覚なうちに背負いまくってるいろんなもの、そこにすっかり埋もれてしまって、苦しくて見えなくなってしまっているピカピカの「本当の自分」。※本当の自分が実存するかどうかは別にして、ここではあくまでイメージのお話ですそんな、「本当の自分」を、想いを寄せる、愛する異性が全身全霊で見つけ出して救い出してくれる(捕まえてくれる)、そうだったらいいのに!!そうであってほしい!!というような、人間の願いが込められている作品じゃないかなと思うんです。(ちょっと眠り姫とかみたいですね。今...この感想を読む

4.54.5
  • バタークリームバタークリーム
  • 116view
  • 2238文字
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