自分のダンスを踊れ。自分の人生を歩け。
目次
『ガールズ・ステップ』
この作品の主人公は、高校生の女の子 西原あずさ。クラスには暗黙の了解で、ポジションのようなものが存在している。もちろん自分では決められない。カーストの上の方の子が決めているようなものだ。
あずさは、この学校で注目を浴びているチアダンス部の子達と仲良くしているようにみえる。だけど、本当は、独りぼっちになりたくないが故に、嫌われないように関わっているのだ。ジュースやパンを頼まれて、買いにいくのは、いつもあずさなのだ。つまり、うまく使われている。
クラスで、おとなしい子や、勉強ばかりをしている子、などは、「地味ーズ」と呼ばれている。
あることがきっかけで、あずさと、地味ーズの5人は、ダンスをやり始めることになる。
仲間やコーチとの関わり合いの中で、それぞれが大切なことに気づく。高校生だけでなく、コーチも、あずさ達と関わっていくことで、新たな道を歩み始める。
何より楽しむ。
ストリートダンスっていうのは、自由に好き勝手踊るために生まれたダンスなんだよ。
だから、JK達も自由に踊ればいいのよ。失敗してもいいじゃん。楽しめればいんだよ。
ダンスも、それ以外のことも、上手いか・下手か、を判断することしか考えなくなってしまうときがある。だから、自信が持てない。人と比べてしまう。最後には、自分には「才能がない」と思ってしまう。
あずさは、「自分にはできることがない」と思い込んでいて、自信がない。だから、学校にいるときは、バスケ部の人気者の幼馴染の好きな男の子に話しかけられても、学校以外で会うときのような振る舞いができない。学校にいるときは、自分が人気者と一緒にいるところを見られたくないと思っていて、言動がぎこちない。それは、学校やクラスという集団の中にいると、ポジションが勝手に決められているため、自分は、そのポジション通りの人になろうとしてしまうからである。意識して、なろうとしているわけではなくて、ならなければならない、そうしなければ嫌われてしまう、と思っているのだ。
あずさ達は、5人でダンス部を結成する。体育館の端の方で、チアダンス部の邪魔にならないように練習している。あるときまで、邪魔扱いされていたけれど、あずさ達が楽しそうにダンスを踊っているのをみたチアダンス部のキャプテンの子が、場所を貸してくれた。
「何より楽しんでいるということ。」そのことは、自分だけでなく、周りの人のことも楽しませることができる。考えさえも変えてしまうことができるのだ。
本当の自分見せなきゃ、友達なんかできるわけないじゃん。
あずさのように、嫌われたくない、独りぼっちになりたくないと思っている子はたくさんいる。私もそうだった。でも、誰かに勝手に決められたポジションで生きていくのは嫌だ。悔しい。
そのポジションを生きるのではなくて、あずさが成長して気付いたように、自分の好きなことを追いかけていきたい。独りぼっちになるのが怖いから、誰かといるのではなくて、あずさのように、この5人で踊りたいから、ダンスが好きだから、私は、こうなんだっていう生き方がしたい。
本当は自分がどうしたいのか。そのことを隠していたら、友達になんかなれない。
嫌われないように振舞っていることは、すぐに気付かれる。伝わってしまう。
高校生ではなく大人になった今でも、誰かと本当の友達になるのは、難しく感じる。だけど、本当の自分を知って欲しい。見せかけじゃなくて、本当の友達になりたい。辛い時は助け合いたい。だから、こう生きたいんだって正直にいうよ。
才能とは、できるようになるまで諦めずにやり続ける力のこと。
できるようになるまで、諦めずにやり続ける。みんなが3時間でできる所を、私は100時間かかります。でも、諦めなければ、ここまでできるようになりました。
みんなと同じことをできるようになるのにたくさんの時間がかかる。だけど、自分に必要な分の時間を練習し続ける。決して、自分には才能がないからと言って諦めることをしない。
できるようになるまで、諦めずにやり続ける。これこそが才能なのである。
人と比べなくていい。自分のダンスを踊れ。自分の人生を歩け。
高校生の時に、本当はダンスがしたかったけれど、自信がなくてダンス部に入部できなかったことを思い出した。中学生の時に、「踊り方、変だよ」と言われたのは、今でも覚えてる。自分には、「才能がないんだ」、「センスがないんだ」と思っていたけれど、ただの言い訳だったなあと今は思う。
恥をかいてでも、練習し続ける。人前で、踊り続ける。
高校生ではなく大人になった今は、才能やセンスを言い訳にしないってことは実行しているけれどやっぱり人前で、出来ない自分をみせるのは恥ずかしい。恥をかきたくないと思ってしまう。
だけど、もう後悔するのは嫌だ。逃げるのは嫌だ。
だから、たくさん恥をかこうと思う。人前で、今の自分を見せようと思う。
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