石川県金沢市を舞台にした物語 - 花咲くいろはの感想

「花咲くいろは」舞台

この物語は金沢市を舞台に描かれたものだ。金沢市のよさを忠実に再現している。舞台が温泉というだけあって、思わずいきたくなるような物語で、とてもストーリーの内容が濃い。主人公もかわいいし、周りもかわいいキャラがたくさん出てくるので好きになれると思う。金沢市だけでなく、能登のよさ、町のあたたかさを前面に出していて見ていて落ち着くことができる。最初のほうはとにかく「死ね死ね」コールでおもしろくないかもしれない。そこはあまりにも悪口がひどくて見ていられなかった。ただ、ストーリーが進むにつれてみんな仲良しになっていくので、女子高生の友情的なものを感じることができる。夢を持って、将来に向かってバイトをしながらがんばっていく姿に心をふたれるひともいるだろう。仕事への勇気と情熱を持ってひたらすら走っているイロハの姿勢は見ていて応援したくなるし、ミンコとナコも応援したくなる。ミンコのツンデレはちょっときつくはあるが。全体的にまとまっていて、流れもよく、見ていてあきない。何回も見たい作品である。

登場人物

イロハは何事にもとても熱心で、一言でいうと「熱い」。恋愛についてはコウチャンに対してとてもめんどくさい感情を持っていて、よくわからない部分もある。そんな不器用なところもかわいくてよい。ただ、ほんとうに人に対して、仕事に対して、マジな姿勢は尊敬できるし、接客もプロなみだ。この物語を読んでいるだけで自分もがんばろうと鼓舞される。それぐらい影響を受ける熱い人物なのできっと好きになると思う。ミンコとのケンカももかわいい。ミンコはツンデレで仕事に熱心なのはイロハと同じだが、どことなくいいやつである。最初は口の悪い、性格の悪いやつだと思って見ていた。「死ね」を何回言ったかを数えたくなるぐらいだ。ただ、途中からミンコなりのよさ、不器用ながらもみんなと仲良くしようという姿勢は好感が持てる。ほんとうはとてもいいやつではずかしがり屋だ。そこはナコと一緒である。ナコはとてもはずかしがりやで、おっとりとしていて、クラスにこおいう人はきっといると思えるほど安定感のあるやつだ。水泳が得意なのは正直驚いたが。接客に関しては最初はビクビクしていてイロハを教えられるのか心配で、仕事の先輩とは思えないほどの感じではあった。だが、イロハと仲良くなり、ミンチともさらに友情が深まり、三人で喜翆荘を盛り上げようとしてく姿は感動できる。みんな喜翆荘が大好きなのだ。オカミさんは、最初は口うるさいババァとしか思わなかったが、進むにつれて芯がしっかりしていることが分かるし、旅館と接客の哲学を持っている。トオルさんとレンさんもとてもいいキャラをしている。板前は旅館としてはとっても大事なポジションだろう。ここがしっかりしていないと料理が成り立たない。二人とも個性が強くて、意地っ張りではあるが、やさしくておもしろい。レンさんの服の趣味は最高である。トオルさんも実は不器用で気持ちを伝えるのが下手で、親しみを持てる。イロハの母とのやりとりもよくて、大人としてしっかりしていることが分かる。ミンチとは結ばれてほしかったところではあるが。イロハの母は正直、ダメダメな母親だという部分がたくさんある。もちろん、仕事をしていて大変なのはとても分かるし、育てるとはこおいうことなのだと言いたいのだと思う。しかしながらイロハがあそこまでしっかりと家事を手伝ってくれ、仕事もまじめにこなしていく姿にはもっと評価をしてほしいと思うのだ。高校生とは思えないほど働いて、家の掃除もして、料理もしてスペックが高すぎるほどだ。トモエの姉さんてきポジションは最強だ。早く結婚してほしいとは思うが、仕事にいきる女性とはこおいうものだといいたげた、猛々しい女性だ。

温泉経営の難しさ

ここではタカコというよくわからないうざいコンサルタントが出てくる。経営に何かと口をだしてきて、論理もめちゃくちゃで話し方もおかしい。エニシが好きだからといってもっとまともに経営を手伝ってくれるひとはいるだろうと口を出したくなるほどだ。エニシも何がしたいのか分からずに何かをしようとして失敗しているのは見ていて心苦しい。気が弱くて、優しいのはいいが、経営陣としてはダメだ。そおいう意味ではイロハママが喜翆荘に来てくれたほうがよかったと思ってしまう。最後のオチとして喜翆荘は実はイロハママが引き継ぐというシナリオもよかったのではと個人的には思った。閉店というのはとても悲しい結末だ。みんな一生懸命働いて、愛しているところがとてもよく、応援したいと思ってしまう。それぐらいチームワークがいい職場である。職場のみんなが穏和で、互いにカバーして、お客様を迎える姿には尊敬できるし、感動する。物語を読んで「心が躍る」とはこおいうことかと思えるほど質がよく、まとまりがある作品であることは間違いない。