女の子にとっては夢のよう - アンジェリークの感想

美しすぎる！

由羅カイリさんの描く守護聖様達がとにかく美しすぎるんですっ。特に目元の麗しい事といったら半端ないですっ。どうしたら男の人をあんなに美しく描く事が出来るんでしょう。美しいと言っても、女性的とかではなく、男らしいのに美しいんですっ。おまけに守護聖様達が身につけている衣装や装飾品もゴージャスで、見る度にウットリしてしまうんです。普通、あれだけの人数が出るとかなりワンパターンになると思うのに、全然そんな感じではないんです。一人一人のキャラクターがはっきりしていて、それもかなり個性的です。神秘的な美形から、守ってあげたくなるような可愛い男の子と幅広く、これほどまでに描き分けられる人はそうはいないと思います。もちろん、男性キャラだけではなく、女性キャラも全て可愛いです。一度で良いからこんな素敵な絵を描いてみたいと思いました。やっぱり、こういうストーリーには美しい男の人が必要ですよね。

あれ？本来のテーマは？

えっと、確かこのドラマのベースは二人の時期女王候補であるアンジェリークとロザリアが次期女王の王座を狙って対決するというものでしたよね？「光り」や「闇」、「風」などそれぞれの守護聖様達と交流し、惑星を育成するというものだったのですが、二人はちゃんと惑星を作っていたんでしょうか？それらしいシーンもあるにはあったのですが、具体的にどんな風に育成していたのかサッパリ分かりませんでした。そもそもこのアンジェリークとロザリアという二人の少女はどこから連れてこられたのかサッパリ分かりません。出身地や幼少期の事が語られるシーンも皆無です。どんな基準で女王を選ぶのかも分からないのです。ただ、アンジェリークとロザリアがそれぞれの守護聖様達に会いに行き、なんとな〜く力を分けて貰える。みたいな感じなんです。恋愛部分があまり感じられなかったのです。それに、次期女王の王座を狙っているという割にはロザリアは大人しすぎるんです。別にイジワルキャラを求めている訳ではないのですが、なんだか特に盛り上がる事もなく、気がつくともう女王決まったの？みたいな展開でした。ですが、最後の最後でやっと盛り上がって来たんですっ。それは、アンジェリークの前に女王候補となった少女と闇の守護聖であるクラヴィス様との純愛でした。長い金髪をなびかせた美しいその女性に、気がついたらクラヴィス様は恋をしてしまいました。ですが彼女は女王候補。クラヴィス様は悩みました。しかし、クラヴィス様は愛を選んだのです。ある日、少女と待ち合わせをします。宇宙の平和よりも愛する人を選ぶなんて、並大抵の事では出来ません。そして、待ち合わせ場所に彼女は来ませんでした。その代わり彼女の伝言を聴いたジュリアス様が来ます。クラヴィス様はこの事が原因で心を閉ざしていたのです。やっとですっ。やっと盛り上がってきたのです。しかし、盛り上がった頃が最終回だなんて、あんまりです。それに、前女王が宇宙へと旅たち、アンジェリークが女王の座につくのですが、正直、「なんで？」と思いました。なんかあれよあれよと決まった感じです。おまけに風の守護聖様であるランディに告白されるなんて。何かもう慌てて終わらせようとしている感じがしてガッカリです。もう少し、アンジェリークとロザリアのケンカするシーンがあったり、守護聖様のプライベートが分かるようなシーンがあってもよかったんじゃないのかな。ただ、一人の女の子が女王になっちゃった。という感じです。何だか本来のメインは、アンジェリークが立派な女王になる為の成長物語だと思うんですけど、読んでみるとただ単に守護聖様たちの紹介する為だけな気がしてきました。キャラクターの美しさではなく、内面も描いて欲しかったな。結局、どんな惑星を育成したのかさえハッキリらからなかったし。

それぞれの楽しみ方

もともと、この『アンジェリーク』という作品は、女性向け恋愛シュミレーションゲームがベースになっています。今ではそういったゲームは当たり前ですが、この頃は数も少なく、人気はかなり高かったです。ゲームとコミックでは大きな違いがあります。とれは、「選択」です。ゲームではある程度のコントロールが出来ます。誰と会話をするかとか、どんな惑星を作るかとか、どんな守護聖様と恋に落ちるかと選び放題です。普通に考えれば多分、ゲームの方がより楽しいんだろうと思うんですが、もちろんコミックにはコミックの良さがあります。それはゲームとは正反対の「決められない」という事です。だから、次は一体どんな展開になるんだろうとワクワクしますし、ガッカリもします。でも、ゲームとは違い自分の思ってもいない展開を楽しめるという点では、私はコミックの方が面白いんじゃないのかな。と、思います。ゲームにはゲームの良さが、コミックにはコミックの良さがあるから、両方楽しめたら良いんじゃないのかな。