ずっと変わらない二人が大好きです - シティーハンター2の感想

より都会的に

前作のOPとEDも大好きでしたが、この「2」のOPは私はシリーズ中で一番好きでした。一期目目に起用されたPSY.Sの「AngelNight」は新しいシリーズのスタートにピッタリな曲でした。前回よりも明るくなった印象の作画に合わせて、冴羽さんと香さんが寄り添う姿は、まさにファンが見たかった光景だし、歌詞に出てくる「最初に好きになったのは、声。それから背中と整えられた指先」という一節は、冴羽さんを好きになった時の事を思い出させてくれました。それから二期目となる「SARA」はFENCEOFDEFENSEが歌い、女性ボーカルの一期目とは違う。力強い男性ボーカルのロック調でした。そして、まさかこの曲のタイトルである「SARA」がのちの伏線になるなんて想像も出来ませんでした。現在のアニソンも、あらゆるアーティストの方が担当してかなりオシャレですが、当時のアニソンの中では、『シティハンター』のシリーズほどオシャレな曲はなかったのだと思います。

オリジナルの良さ

『2』の見所としては、オリジナルストーリーが多くなったということでしょうか。もちろん原作の話しも好きなんですが、アニメでしか見られないというのが嬉しかったです。冴羽さんや香さんはもちろんですが、冴子さんや海坊主さん達のいつもとは違った一面が見れた気がして嬉しかったです。アニメオリジナルストーリーは、全63話中に実に34話もありました。最終回は、三話に渡る物となり内容もそれにふさわしい物でした。連れさらわれた香さんを探す冴羽さん達の前に金色の長い髪の美女が現れます。多くを語らず冴羽さん達を攻撃するその美女が香さんではないかと話す仲間達に、冴羽さんが確信します。その確信した決め手がチラリと見えた「パンダちゃんパンツ」だったというのも、何とも冴羽さんらしいです。そして、敵のアジトに潜入した冴羽さんの前に、金髪の「セイラ」が現れます。催眠術に操られ銃を取り出すセイラですが、冴羽さんに弾が命中する事はありませんでした。そして、冴羽さんはセイラを操る声の発信元であるイヤリングを撃ちます。その時の冴羽さんの格好良さは今までの中でダントツです。更にこの後、催眠術が解けきれず銃を突きつける香さんに、「いいさ。撃てよ」と語る冴羽さんっ。これぞハードボイルドという感じですっ。更に更に、キスをする冴羽さんと香さんのBGMとして前作のEDである「Getwild」が流れるなるてっ、凄いドラマテイックな演出だと思いました。結局、催眠術が完全に解けた香さんは何も覚えていなかったのですが、このラストシーンは今でも忘れる事が出来ません。それにしても、「モッコリ」という言葉はこんなに連発して良かったのでしょうか？前作は月曜日の19時からでしたが、『2』は土曜日の18時という少し早い時間です。その時間にあれほどまでに「モッコリ」という言葉が流れるなんて、今思うとスゴイ事ですね。果てはサブタイトルにまで「モッコリだらけ！撩の心と超能力(エスパー)少女」(41話)などと普通に「モッコリ」が出てくるのですから、食卓は大騒ぎですよ(笑)。でも、私はこの『2』こそがシリーズの中での最高傑作だと思います。

言葉に出来ないもどかしさ

香さんの実の姉であるさゆりさんは、どんな思いで香さんを冴羽さんに託したのでしょう。さゆりさんにとって香さんは唯一の肉親です。きっと指輪の似合う清楚な女性に育っていると信じて、あらゆる方法で香さんを探していた事でしょう。やっと槇村という刑事に引き取られた事を知りますが、それ以降の事は分からず、やっと冴子へとたどり着いた時の彼女は信じられなかったでしょう。まさか、生き別れの妹がスイーパーと暮らしているなんて。更に、そのスイーパーに対して平気でハンマーを振り回しているなんて。もう既に想像の域を脱していた事と思います。髪型も服装もボーイッシュで、冴羽さんと同等に口論する姿は、さゆりさんにとっては受け入れ難い真実だと思います。香さんが自分の事も知らずに兄から貰ったという指輪を大切にしている姿を見た時、彼女は叫びたかったはずです。「私が姉なのよ」と。でも、出来ませんでした。さゆりさんは同じ指輪を見つめながら冴羽さんを責めました。なぜ、女の子にこんな危険な事をさせるのかと。そして、少しでも女性としての楽しみを見つけて欲しくてドレスアップをさせますが、香さんはすぐにガードの邪魔だと着替えます。この時にさゆりさんは気が付いたのかもしれません。離れていた時間はもう元には戻せないのだと。そして、敵のアジトで冴羽さんを深く信頼している香さんを見て、そして、香さんを自分と同じように優しく見守っている冴羽さんの姿を見る事で、さゆりさんは決意を固めました。冴羽さんになら妹を託せると。日本を離れるさゆりさんを見送りに来た香さんは、彼女から贈られたドレスを着て来ます。それだけでさゆりさんは充分だったのかもしれません。香さんが真実を知っていたかどうか分かりませんが、いつの日か姉妹だと名乗れる日が来たら良いな。