やっぱりこのパターン - 熱血最強ゴウザウラーの感想

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熱血最強ゴウザウラー

3.503.50
映像
3.00
ストーリー
3.50
キャラクター
3.00
声優
3.50
音楽
3.00
感想数
1
観た人
1

やっぱりこのパターン

3.53.5
映像
3.0
ストーリー
3.5
キャラクター
3.0
声優
3.5
音楽
3.0

目次

戻った

『エルドラン』シリーズ三作目として最終章となる『ゴウザウラー』ですが、感想としては「戻った」という感じです。最初の『ライジンオー』の時には今までなかった、校舎が変形したり、クラスメート達で「地球防衛組」を作ったりと、かなり斬新な演出でした。そして次に作られた『ガンバルガー』は、ファンタジーやギャグ路線などこれまた異色でした。でも、『ゴウザウラー』になった途端、「あれ?ライジンオー?』と思ったのが最初の感想でした。キャラやストーリーが違うだけで基本設定としては全く同じだと思うんです。ただ、「地球防衛組」が「ザウラーズ」という名前に変わった事と、初めて女の子がロボットの操縦者になったというだけの話です。それに、キャラクター達の外見があまりにも普通すぎます。メインキャラクターでもある拳一なんて、他のキャラの中に入ったらどこにいるかさえ分からない状態です。浩美としのぶにしても、おとなしい女の子と男勝りな女の子というだけで、あまり個性的とは言えません。製作を担当していたのがサンライズなので、ロボットのデザインは格好良いのだから、せめてキャラクターももっと個性的にして欲しかったです。同時期に作られた『勇者シリーズ』はあれだけキャラクターも個性的で、内容もバラエティに溢れていたんですから、『エルドラン』シリーズも、もっといろんなストーリーを見てみたかったです。

結局、ナニモノ?

シリーズの名前ともなっているエルドランですが、そもそも彼は何者なのでしょう?地球を守る戦士が子供に地球の平和を託すなんて、いい加減すぎません?もちろん、そんな事を言い出したらほとんどのアニメの設定が台無しです。台無しですが、かなり疑問ですよね?『勇者シリーズ』のように一緒に戦うという設定ではいけなかったんでしょうか?それとも『勇者シリーズ』との差別化の為にあえてそうしたのでしょうか?単純に見ていると、面倒くさい敵を子供達に託し、時々現れたり、最終回には来るよ。的な話に見えてしまうのです。彼がなぜ子供達ばかりに地球を託すのか、もっとリアルな説明が欲しかったし、中学生や高校生と年齢が上がって行っても良かったんじゃないのでしょうか?エルドランという大切な存在の設定や説明が雑だったのは残念です。もし、エルドランと拳一達の友情がメインだったら、また、別のストーリーが出来ていたのかもしれません。何となく『勇者シリーズ』の設定と酷似しているような気がして、見ていてもちょっと飽きてしまいました。

それでも見てしまう

それでも、やっぱり毎週見てしまうのは、彼らが繰り広げるドラマに秘密があったのだと思います。シリーズの中でも最年長の小学六年生である彼らを主役にする事で、今までとは違う、子供と大人の境界線という曖昧な彼らの心の動きが現れました。拳一はずっと浩美が好きなんだと思っていました。おとなしくて優しい彼女は完全にヒロイン向きです。そして、拳一とはいつもケンカばかりしているしのぶとの三角関係を期待していました。ですが、拳一は多分ずっとしのぶが好きだったのだと思います。そんな子供の時にしか体験出来ない、甘酸っぱい初恋の記憶を思い出しました。好きだからこそ、すぐに憎まれ口を叩いてしまう。そんな、誰もが一度は体験するであろう感情を『ゴウザウラー』は見事に表現していました。拳一達だけではない、他の生徒達にもスポットライトが浴びせられ、ロボットアニメという以外の魅力があったから、毎週見ていたのだと思います。個人的にはちょっとポッチャリしていた白金太郎(金太)君が好きでした。彼のような体型のキャラクターは、基本的にはいじめっ子か、皆の足を引っ張るムードメーカーという役割が多かったのに、彼は違いました。最後の大会を前にして、彼はザウラーズの為に試合を諦めます。それが子供にとってはどれ程辛い決断だったのでしょう?そして、彼らが最終回では少し成長しているように見えました。マンネリ感が強い『ゴウザウラー』ですが、監督である川瀬敏文さん曰く、「一番やりたい事をやった」作品だったそうです。だとしたら、この『ゴウザウラー』は『エルドランシリーズ』全ての集大成だったのかもしれません。だから、あえてマンネリともとれる設定にしたのではないでしょうか?あの時代では珍しくCG多めの作品で、合体シーンの時はその内部構造が細かく描写されていました。そして、彼らがなぜ小学生六年生なのかというと、おそらくシリーズの卒業という意味ではなかったのでしょうか?彼らと同時に、シリーズも卒業を迎え、その為に「一番やりたい事をやった」のではないでしょうか?今思い出すと、あの時代の子供達は塾や受験に追われ、友達との関係も難しかった頃です。監督は「ザウラーズ」を通じて、子供達にもっと自由になって欲しかったのではないでしょうか?だからあえて小学生を主人公にしたのではないかと思います。

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