二つの世界に愛された少年 - 魔神英雄伝ワタルの感想

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アニメレビュー数 2,474件

魔神英雄伝ワタル

3.883.88
映像
4.13
ストーリー
4.00
キャラクター
4.43
声優
4.35
音楽
3.88
感想数
4
観た人
4

二つの世界に愛された少年

4.54.5
映像
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
4.5

目次

多彩なキャラクター

『ワタル』の最大の魅力はその多彩なキャラクター達ではないでしょうか。主人公の戦部ワタルはかなり現実的な男の子だったと私は思います。普通だったら異世界に飛ばされ、救世主と呼ばれれば正義感に燃え、敵までまっしぐらというのがいままでの主人公ですが、ワタルは弱音を吐くし、時にはズルもする。そんなワタルだからこの作品はおもしろくなったんだと思います。それとワタルには仲間が増えていきます。底抜けに明るいくの一のヒミコ。顔の大きさだけは誰にも負けないシバラク先生。最初は敵だったクラマ。彼らがいたからこそこの作品は長く愛されているんだと思います。

本当の友情

ワタルには最大のライバルがいました。ドアクダーの子である虎王です。ヒミコを嫁にすると宣言したり、部下のドンゴロを困らせたりとまさに『オレ様』なキャラクターでしたが、本当の姿は孤独を抱えた少年で、初めて出来た友達に喜ぶ姿は微笑ましくて、きっとワタルの仲間になってくれると思っていました。まさか、父親であるドアクダーに立ち向かい倒れるなんて想像も出来ませんでした。弱々しく微笑みながら、ワタルとの友情を確認する虎王に涙が止まりませんでした

ドアクダーを倒して平和を取り戻した創界山で、虎王は本来の姿である翔龍子に戻った虎王に、もうワタルとの記憶はありませんでした。自分の事を忘れられたワタルは本当はきっと哀しかったと思います。でも虎王の真の幸せを願うワタルがグッとこらえる姿に、本当の友情とはこういう事なのかとも思いました。どんな関係であれ相手の幸せを願うという事は、自分の気持ちを押し付けるのではないんだとワタルは教えてくれたのです。例え翔龍子に虎王の記憶はなくても、ワタルは虎王を忘れたりしないし、それで良いのだと教えてくました。

二つの世界

ワタルには二つの世界が存在します。一つはワタルが暮らす現実の世界。友達や家族に囲まれて普通に過ごしていた世界。もう一つは創界山の世界。戦いを共にしてきた仲間との世界。この二つの世界に愛されたワタルは本当に幸せ者だと思います。その二つの世界の架け橋となったのがワタルの魔神である龍神丸です。この龍神丸の存在こそ他のロボットアニメとは違う所です。今までのロボットはパイロットの操縦するがまま敵を倒すというのがお決まりでした。でも『ワタル』は違います。龍神丸は時に優しく、時に厳しく接したりとその姿はまるで父親のようでした。龍神丸のおかげでワタルは二つの世界に愛される少年になれたのです。最終回でビデオレターで創界山の仲間がワタルにエールを贈る声に、ワタルはきっと愛されている事を実感したのだと思います。放映当時、時代的に子ども達は塾や習い事に忙しく、家族との会話も減った時代でした。ワタルのような冒険心を、龍神丸のような包み込むような父親の愛情を伝えたかったのだと思います。

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友情と笑いと涙の、魔神英雄伝ワタル

型破りな「おもしろカッコいい」アニメ魔神英雄伝ワタルは、一般的なロボットアニメと比べるとかなり型破りなアニメです。同時期に放送されていた他のアニメは「聖闘士星矢」や、「サムライトルーパー」など、シリアスなストーリーで八頭身のキャラクターなどが流行っていました。魔神英雄伝ワタルは、明るく元気でギャグタッチで、情緒豊かな、純粋に子どもが楽しめるアニメです。当時の流れの中では、「ワタル」は真逆で、独自の作風と言えます。だからこそ流行の中でも、「ワタル」は異彩を放っていて、その後30年近くも人々に愛されるアニメになったのではないでしょうか。とりわけ秀逸なのが、魔神たちのデザインです。普通のロボットのようにシャープなフォルムではなく、子どもに親しみやすい、三頭身で丸っこいデザインです。ですが、和風なテイストで、龍や虎や鳥などを取り入れていて、アクションシーンではとても格好よく見えます。この特徴的な...この感想を読む

5.05.0
  • yotuyotu
  • 246view
  • 2590文字
PICKUP

名作アニメの決定版です!!

今となっては豪華声優陣で贅沢!龍神丸と龍王丸の声優、玄田哲章さんは今ではクレヨンしんちゃんのアクション仮面や、映画でいえばシュワルツ・ネッガー出演作品で吹き込みされている声優さんでお馴染みです。そしてヒミコの声優、林原めぐみさんはキャラクターが全然違いますが、エヴァンゲリオンの綾波レイや名探偵コナンの灰原哀で有名な声優さんですよね。さらに主人公の戦部ワタルの声優、田中真弓さんはドラゴンボールのクリリンやワンピースのルフィでお馴染み、現在も活躍され、声を聞くことが多い声優さんですよね。人気キャラの渡部クラマの声優、あの山寺宏一さんですよ。出演されているアニメ・映画は数知れず、声優業だけではなく「おはスタ」番組MCでも活躍され、最近のアニメキャラではエヴァンゲリオンの加持リョウジ、ヤッターマンでのヤッターワン役、ヤッターキング役、ナレーション役と声優界の生きた伝説の方といっても過言ではないの...この感想を読む

5.05.0
  • つくもつくも
  • 212view
  • 2114文字

ご都合主義のアニメ

都合の良い悪役“ドアクダー”あるネットでは、ワタルを“都合の良い進行役”と書かれていました。自分もその通りだと思いました。ワタルは、虎王(実は翔龍子)がドアクダーの息子だと分かっても、それに臆する事なく立ち向かっていきました。只、自分としては虎王の様に苦悩したり悩んだりしてほしかったです。それに、失敗を犯した部下達を殺してしまうドアクダーのやり方が幼稚に見えます。更に、虎王までも手に掛けてしまい、ワタル達の怒りを買ってしまったドアクダーは「バカ」としか言いようがありません。虎王を上手く利用した方が話の流れとしては面白かったような気がします。自分的には、ドアクダーのやり方はワタルにとっては都合の良い展開になってたので、もう少しアレンジした方が良かったような気がします。後は、ドアクダーは、幻龍斎のような美形の紳士キャラにし、尚かつ、ギャグを取り入れつつも、もう少し殺伐とした雰囲気を出した方が...この感想を読む

1.01.0
  • サクラ大戦サクラ大戦
  • 89view
  • 556文字

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