かわいらしいリア充のほのぼの漫画
なんだかんだ積極的なリサ
まだ恋をしたことがなかったリサのもとに、窓ガラスを割って野球ボールと男の子が飛び込んでくる。それはまさに、彗星に打たれたがごとく…というのをうまく学校生活のワンシーンに加えた表現で、なかなか手の込んだ表現だなーと思う。それをきっかけに、学校で一番人気の男の子と話すきっかけができたリサ。今までの自分になかったものを見せてくれる夕暮くんのことを、自然と好きになっていくのだ。
「これが恋かどうかわからない」というめんどくささはなく、リサがちゃんと自分で見つけて、自分で恋を育てていく。そして、夕暮くんがいつも行ったことのない世界に連れ出してくれるのだ。そのあたりを、ベランダを使ってうまく表現しているよね。ベランダは危ないから出るな、と禁止テープを貼られて、それが夕暮くんへの道が断たれたような印象を与えた。そこを打破するイメージを、そのままリサがテープをビリビリ破いて、ベランダに自ら飛び出す…という描写で魅せている。…わかりやすすぎて若干作った感が出ているが、その分かりやすさが響くと思う。
友だちの聞き役で、自分から恋をするとか思ってもみなかったリサ。初めてゆっこに相談したときの、ゆっこの反応がまたかわいく、他人事だったコイバナが自分のことになり、より毎日が色づいていく様子が微笑ましかった。今までも十分、リサにとっては楽しい毎日だったけれど、自分が外から見ていただけの恋愛の世界に飛び込んで、もっともっとかわいくなっていく。やきもちを焼く暇なんてないくらいに、お互いに夢中なリサと夕暮くんの安定ぶりがかわいい。
夕暮くんがだんだんコント寄りに
最初こそ、めっちゃイケメンで派手グループのリーダーポジションにいたけれど、リサと知り合って、実はとても子どもっぽいところがわかってくる。友達と遊ぶのが楽しい少年だったし、悪いこととか全然興味なくて、普通にバカやって、校長先生と遊んで、楽しく生きている。派手だけど、友達想いのマイルドヤンキーだ。モテているとはいえ、つるんでいる子たち以外との交流はあまりないし、リサを好きになってからはずーっと一途だったね。リサに影響されたのか、徐々にコントっぽいシーンが増えているのもまたおもしろいところ。
リサと知り合ったきっかけはびっくりだったけど、リサのことが気になり始めていたのは間違いなくて、少しずつ歩み寄り、大好きになっていく姿がかわいいんだよね。リードしているつもりで、大事なところは全部リサがかっこよくいいとこ取りしているので、若干かわいそうかな、と思いつつも、お互いに必要としているのが伝わる。
若干かわいくなっちゃうのは、やはり中学生だからなのかなーと思うが、わざとだろうか?「またあした」などの村田さんの他の作品では、高校生が主人公っていうのもあるのか、出てくる言葉の強さ、わりと現実見て動いているところが全然違うなーっていう印象を受ける。友達をかなり大事にするところは、どの作品にも継承されているし、出会い方、歩み寄り方は全体としてけっこう似ている印象がある。最新作は逆に女の子をめっちゃダメにしてそこからの成長をみせているけど、ヒーロー役の男の子たちの雰囲気は共通した部分が大きいなーと思う。
武智くんの誠実さ
横恋慕でいったい誰を使うのか?と思っていたが、途中からモブキャラ的扱いだった夕暮くんのお友達の詳細な名前・設定が出てきて、武智が大事なポジションに抜擢された。辛い家庭環境だったことを背景に、リサの優しさ・本当に心の底から他人のために動ける人間に触れて、好きになってしまう。
ここでドロドロしないのが「流れ星レンズ」の安心設計なところで、武智くんも夕暮くんを本当に大切な友だちとして想ってきたから、まさか奪い取ってやろうなんてことは思っていなくて。リサが夕暮くんのほうだけを向いているのもどこかでは気づいていたのに、それでも気持ちは伝えようとした。夕暮くんにとっては、リサは譲れないものだけれど、武智くんの意志も尊重したいと思っていて、実に複雑。そこでやはりリサの男前な行動が心に響くね。
精一杯の誠意を尽くして、リサは武智くんにごめんなさいと告げる。武智くんにとってはそれが間違いなく初恋で、うまくいかない悲しい恋もある・自分がそうならないようにと思っても、どうにもできない恋がある…リサにとってはそれを知るきっかけになった。武智くんにとっては、今までに踏ん切りをつけるというか、母親への憎しみから解放されたような、すがすがしい気持ちが残された初恋になったはず。これからはきっといい恋ができるね。
恋は人を成長させるもの。恋をして告白すること・されること、フラれること・フること…どれも、その立場になってみなければわからない感情がある。リア充だって悩むんです。
こういう女の子になろうとするあざとい女
リサのように、頼まれごとに全力で応えようとする女子っていると思う。だがたいていは…下心なしには動いていない。かわいく思われたい・いい人だと思われたい・あわよくば好きになってもらいたい・自分のお願い事を聞いてもらいたい…リサのように、「平和がいちばんっ!」って言っている女子ほど、危ない女子はいないと思う。
ところが、現実においてもそのような女子の罠に落ちてしまう男子はいるのである。そしてまんまとそんな腹黒い女のステータスに加わるのだ。○○くんってー実はこういう人なんだぁー…って言われちゃうのだ。
しかし、女子としては、リサのような優しい女性になりたいと憧れても仕方がない。大人しいようで行動力があり、誰に対しても一生懸命に行動できる女子…そしてリア充となり友達の輪も広がり…ってそんな最高な状況、夢を見て当たり前だ。「流れ星レンズ」みたいに、好きな人が流れ星みたいに現れて、好きだと気づいたら星がちらつくほどチカチカと輝いていて、楽しいことがいっぱいで…いいよね。読んでいると心が洗われた気分になるよ。狙ってそうするんじゃなく、心からの気持ちで行動できる、優しき人間になりたいよね。
笑顔が素敵な女性が至高
夕暮くんがリサのどこに惚れたのか?武智くんがリサのどこに惚れたのか?
…笑顔でしょうね。優しき言葉に、満面の笑顔。笑っているのがやっぱり一番。不幸そうな女ほどそそられる男もいるが、やはり女性の笑顔って至高だね。かわいいなーって思って、いいところが見えてきて、大人しいところが見えてきて…第一印象が大切。これ鉄則。
「流れ星レンズ」は、10巻も続くこととなった。あっさりリサと夕暮くんはお付き合いを開始するんだけど、途中に紆余曲折があるっていうよりかは、初恋からどんなふうにお付き合いは深まっていくか、を丁寧にゆったりと描いている作品だと思う。蜂野くんのことは、もはや毒ではなくて、普通にいいイベントだった。武智くんに関しては、少しだけせつないスパイスになったけれど、リサと夕暮くんの仲に亀裂が入るほどのイベントではなかった。誰かに獲られそうって惑う姿よりも、相手を思いやって毎回感謝を感じていられるような関係っていいなーめんどくさくなくていいなー…本当にきれいな部分ばかりが詰まっていた。
本当に楽しい部分しかないので、深さを求める人にはあまり楽しくないかもしれないが、ほわほわの気持ち、嬉しい気持ち、思いやる気持ちとかを純粋に感じれる漫画だ。
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