ありそうでない物語 - ピースオブケイクの感想

恋愛下手女子が共感できる人物とストーリー

これは自分の話？！と思わせるほどの多くの人が経験するありきたりの恋愛で始まる。

ダメ男と別れてさっぱりしたら、バイトで素敵な出会いをして隣に住んでて恋に落ちて、男が傷ついてる隙を狙ってでも手に入れたくってって多くの人が経験している様な恋愛をキュンどころをしっかりギッシリ詰め込まれています。なかなか成就されない関係にもやきもきしちゃいます。そう言えば恋愛ってこんな泥臭くてかっこ悪かったよなって思い出させてくれるジョージ朝倉先生の作品ならでは！！今まで自分から好きになったことのない女子は必見！好きになったら志乃のように粘れ！！

手ごわすぎる恋敵

ありきたりの共感しまくりの物語と思いきや、恋敵登場！！いや、元々主人公の志乃が恋敵だったのか。彼女と離れられない彼の中の志乃の存在は大きくなっていく。読んでいてもイライラしながら傷ついてる主人公には女子号泣でしょう。でも、そんな恋敵にも切なくて悲しい過去があるのですが、それを志乃が知ることができるのは後になってからなんですね。一人の男を取り合ったことを本にするような恋敵って最強の女ですよね。

何も語られないラストのイラスト

傷ついて傷ついて疲れ果てて逃げて。なのに京志郎が志乃を追いかけて、どうなったの？！って気になりすぎるラストなのですが、最後のページのイラストで超ホッとします！！ハッピーエンドにしてくれてありがとうって作者に言いたいくらいです。

カッコ悪いけどキラキラしてる大人の恋愛

恋愛から離れた人はジョージ朝倉を読んで恋愛の泥臭さとカッコ悪さの素敵を思い出せますが、ジョージ朝倉の作品の中でもこの作品は共感できる人が多いのではないかと。なかなかかなわない。相手の中で他のだれかが大きくなる。本当に愛してくれているのかわからない。付き合っているのに離れていってしまう。大人の恋愛の「切ない」がたくさん盛り込まれています。

恋愛漫画は沢山ありますが、こんなにリアルな漫画はなかなかないのではないでしょうか。綺麗ごとばかりではないからこそ、何でもないよくある設定なのですが、よくある泥臭さなのですが、ジョージ朝倉先生が描くとキラキラして人物の人間らしさがとても魅力的にみえてきます。よくあるどんでん返しの連続なんてないのですが、好きな人と一緒にいたいっていうそれだけで素敵な展開になっています。大人の恋愛の参考書になる漫画です。