不器用な恋愛模様がリアルでたまらない
タイプの全く違う三人の恋が面白い!
このドラマは決して恋愛をしないわけではありません。香里奈演じる藤井恵美は、同僚でとても仲のいい「友達」に恋をしてしまうし、吉高由里子演じる小倉咲は結婚している男性と恋愛してしまういわゆる「不倫」をしてしまうし、大島優子演じる半沢真子はとてもチャラい男に処女を捧げてしまいあげ君の果てに恋をしてしまうし、この三人の恋はとにかくドラマらしからぬ私たち一般人に非常に馴染みのある恋愛をしているということなんです。そこが感情輸入しやすいポイントであり、「なんで恋愛ができないっていうタイトルなんだろう」と考えさせてくれます。ドラマを見進めていくと、この三人、誰も両思いになれないんです。藤井が好きな田中圭演じる長谷川優は婚約者を紹介してくるし、咲が恋した男性は結婚しているだけではなく藤井の素敵な上司だったし、真子が処女を捧げてしまった男性は自身の妹に寝取られてしまうし…。つまりこのドラマは「恋」はしていても「恋人」はできないんです。私はよく学生の頃、好きな人がいるだけで「今恋愛してる〜」なんて言っていました。ですが大人の恋愛とは「恋人」であることなんでしょうね。だからこのドラマは「私が恋愛できない理由」というのだと見進めて気づけました。この三人の不器用な恋愛模様を見て改めて「恋愛」の難しさを目の当たりにしました。
藤井には憧れるけど切なすぎる!!
ここで恋愛が一番苦手な藤井の話。藤井は男勝りで、仕事をしていても女子会をしている時もとてもかっこよい。ひたすらかっこいい。でもどこか素敵な一面や女の子らしい一面を持っているから守ってあげたくなるし、武井大介という警察官にも途中恋心を寄せられ「恋愛」もしている。まずは単純に藤井みたいなサバサバしていてかっこいい女になりたいと思いました。自分の恋心に気づいた後に優から結婚することを打ち明けられた時もショックは隠しきれないが友達として大事にすることを一度は決意した藤井。友情って一番の大きな壁だなぁと改めて思った。友達でいれば一生友達でいることができるけど、恋愛をしてしまえば結婚しない限り二人の関係にいつかは終わりがくる。藤井と優は見ているだけで本当に暖かく仲のいい二人だったからこそ見ている私が「恋愛に発展しないほうがいいんじゃないか?笑」と思ってしまうくらい。なんでも話せる男友達って絶対一人はいてほしいけど、友情が不意に恋愛に発展してしまう切なさもなんとも言えないこのドラマ。100パーセントの男女の友情は成立しないんだなぁと考えさせられます。
何と言っても安室奈美恵の主題歌が最大の調味料!
主題歌や劇中歌を安室奈美恵で揃えたところがまたいい。劇中歌の「Sit!Stay!Wait!Down!」は、曲調やリズムから恋愛模様の激しさやこの先の展開をドキドキさせるものへと導いてくれる。何と言っても主題歌の「Love Story」は切なさが満点!藤井の気持ちをそのまま曲にしたような歌詞で、「誰よりもきっと愛しているけど選んだこの道を歩いてくから」というところは優は結婚するし、私たちには友情という道がある、その道に向かって道に向かって歩いていく決意をした歌詞に聞こえる。曲のはじめの方は、藤井のボーイッシュさやこのドラマ上での恋愛が苦手なところが歌詞にされている。二番のサビの歌詞は「誰を見つめても誰と過ごしても(武井さん)忘れられる日など来るはずない(優)」に聞こえる。この歌詞は、以前短期間であったが恋人関係であった優のことをまだ忘れられないという歌詞にしか聞こえない。この曲は本当にこのドラマの藤井そのものであるし、不器用さが描かれすぎていてドラマに完全に染み込んでいて大好きな一曲。曲というよりもドラマの一部と言っていいかもしれません。ただ、この曲には恋愛がうまくいく模様が描かれていないので、ドラマの展開も最後までうまくいくのかわからず、切なさだけを描いているところが非常にポイント。ドラマに結末は預けているんだなあと。一部でも前向きすぎる歌詞だと「あ、うまくいくんだろうな」と思ってしまうので。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)