劇場版第18弾
劇場版第18弾作品
本作で劇場版ドラゴンボールシリーズも18作目となった本作ですがその内容や作風に関しては単純にドラゴンボールとしてだけでなく、その時代背景についても当時の日本の状況について反映されていることがわかりました。
原作、鳥山明先生と本作の監督、細田雅弘と脚本家の渡辺雄介からのインタビューにて語られているのですが制作当時、東日本大震災による不安などを吹き飛ばすようなそんな明るい作品にしたかったと語られているように作品全体として街の破壊や住民のパニックといった過去作にあった演出などを一切無くし、舞台をブルマの誕生日会やクリリンの結婚といったポジティブな話題を詰め込み、前半部分をよりコメディチックにしたかったのがよく表現されていて好印象でした。
前作であるドラゴンボールZにてシリアスなキャラクターであったベジータやピッコロといった人気キャラ達もギャグパートを担当していることによりその魅力が若干方向性が変わってきてしまったのは個人的には残念でしたが一般的な評価はそう悪くはなっていないようでした。
海外でも人気のあるドラゴンボールシリーズですが日本だけでなく、海外28ヵ国でも上映が行われるほどの人気作品であり、その期待の高さが改めて認識できました。以前、アメリカにて実写化もされていますがあまり好評ではなかったのですがドラゴンボールとしてではなく別の一作品としての視聴であればそんなに悪くはなかったと思いました。そんな評価があったということは裏返してみればそれだけドラゴンボールという作品に期待している方が多いという裏付けでもあるので本作を制作するのにはとてもプレッシャーだったと思いますが結果として大成功に収めることができ、次回への足掛かりともなった功績はとても素晴らしいことだと思います。
劇場版第17作である「最強への道」は制作が1996年と約17年ぶりの作品となる本作ですがなぜこのタイミングで続編の制作に踏み切ったのは明確では諸説ありますが個人的には現代の子供たちにも昔ながらの名作である本シリーズに触れる機会となったのには良い結果となったと思います。
ドラゴンボール超へのつなぎ
本作にて登場した破壊神ビルスが次回作ドラゴンボール超への伏線となっているのには驚きました。個人的にはドラゴンボールZにて地球規模から宇宙規模、果ては太陽系までと話の規模が大きくなりすぎて収集がつかなくなりそうな場面にてめでたく大団円として幕を閉じれたからここからさらに話を広げてしまっては今度こそ話が収まりつかなくなってしまいまとまりの良い終わり方ができなくなってしまうのではという不安が危惧されています。
ですがまた新しく子供たちに興味を持ってもらうには新作として映像やストーリー展開を現代の流行や環境に合わせて制作しなければとてもなじめるような作品として受け入れられなかったと思います。
ただ昔の初期アニメを視聴した昔ながらのファンにとっては逆に受け入れづらい面もあるのではないかと思います。特にサイヤ人の変身形態は超サイヤ人1から4までと超サイヤ人神、超サイヤ人ゴッド超サイヤ人、超サイヤ人ロゼ、ほかにはフュージョンやポタラによるキャラ同士の合体など強さの分布から相関図、またその変身方法など設定がどんどん追加されていってしまい、途中からのアニメ視聴では何がなんやらさっぱりとわからなくなってしまうようなとっつきにくいアニメとなってしまったのは残念に思いました。
ずっと追い続けているファンの方にはそれがいい!と感じる方も多いのでしょうが個人的には昔の幼い悟空とまだ少女だったブルマとの不思議な冒険をしてた頃が一番面白かったなと個人的には思いました。
映像技術の遷移
初代ドラゴンボールは1980年代からの放送で1990年、2000年、現代にいたるまで同じシリーズとして制作された作品は数えるほどしかなく、アニメ界の誇れる名作であると断言できます。それ故に日本の映像技術の発展も如実に表現されており、その遷移もはっきりと見て感じ取れることだろうと思います。
背景一つをとっても見比べてみれば一瞭然なのですがここまでよくなったのかと感動に値します。過去作では崩れる岩や地形、動きのあるものに関しては明らかに背景より浮いていて現在のアニメ作品として考えればとてもおそまつなレベルでしたがそういった違和感もなくなり、キャラクターと背景との調和も取れ、バランスが良くなり作品としての質が格段に向上したと言えるでしょう。
昔の映像技術からは考えられなかった3DCGが導入部分に起用されていたり、キャラクターたちにとっても色彩の幅が大きく広がり、より明確に、強そうにリアルになってきていることに感動しました。
そんな技術の発展とともに今後ともまだまだ続いていくであろうドラゴンボールシリーズはより進化し、より人々を惹きつけるアニメ作品として愛されていくと思いました。
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