ロボットには人間にとって理解できない問題がある
毎月の支払いに追われながら恋人ロボット購入
男運が悪いリイコの家に届いた恋人ロボットは本当にカッコいい男性でしたが、軽い気持ちで取り寄せてしまったので、思ってもいなかった事が次から次に起こってきます。その中の一つに、毎月の多額なローン請求があり、リイコは一度は返品を考えたものの、返品したら恋人ロボットが解体されてしまうと知り、購入する事にしました。もちろん、とてもOLに払い続けていける料金ではありませんでしたが、私は必死にお金を稼いでいるリイコに感動しました。結局はナイト(ロボット)が仕事に就いて稼ぐようになりましたが、お試し期間を過ぎて「購入する」と決めた時のリイコがどれだけ大きな買い物をしたのか、考える事を避けていた所を見て、実際によくあるケースだと感じました。OLが億単位の物を購入するなんて滅多にないでしょうけれど、大金を遣う時に後先考えられなくなる瞬間があるのはよく分かります。ナミキリが恋人ロボットの事を「家電」で「リサイクルします」と言った時に、複雑気持ちになる所も共感しました。
ロボットには人間の言葉が理解できない事がある
いつもお金に困っているリイコのために、ナイトは海に潜って美味しそうな魚を取ってきましたが、ナイトがそれを説明するとリイコが「みみっちい」という言葉を投げかけました。その時に、ナイトが「みみっちい」という言葉を理解するまでに少し時間がかかりましたが、ロボットには人間が当たり前に遣っている言葉が理解できないのだと感じました。そして、ナイトが「み・み・みみっちい」と考えているシーンは笑えました。考えてみれば、AI(人工知能)にはそのような事がよくあります。そのリアルさ故に笑えたのだと思います。
AIの性質が人間に近付くと故障扱いになる
ナイトは本当にリイコが好きになり、嫉妬するようになりましたが、ロボットに感情なんてありえない事。ナミキリは「故障」だとリイコに説明しました。AIに感情が生まれた事で、「有り得ない事」「計算外の事」が実際に起きたとして「故障」扱いになってしまったのでしょう。性能が良く、怪力の持ち主であるナイトが感情を持って、それが自らコントロールできなくなってしまうと非常に危険な状態になってしまいます。だからこそ、ある意味「ロボットは人間を超えてはならない」存在だといえるでしょう。人間が管理できる範囲であれば「故障」扱いにはならなかったのでしょう。AIが注目を集める今の時代において、ロボットの開発がどこまで許されるのか、考えさせられるシーンになりました。
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